業界厳しい中…。新聞販売店勤務・50代男性、“出世せず”に「年収450万円から年収520万円」になったワケ

業界厳しい中…。新聞販売店勤務・50代男性、“出世せず”に「年収450万円から年収520万円」になったワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

少子高齢化が進み、多くの企業で人件費の高い年配者のウェイトが高くなるなか、組織の若返りを図っていきたいと願う企業は多いでしょう。人材が豊富な大企業であれば「早期退職」を促すことも容易ですが、中小企業で同じことを行えば、愛社精神や仕事への前向きな気持ちを破壊することにもなりかねません。社員数50名の新聞販売店を23年間経営し、多くの企業の経営支援に携わってきた米澤晋也氏が、日本の中小企業が効率よく、合理的に組織の若返りを図るにはどうするべきか、興味深い実例等を交えて詳しく解説します。

 

組織には、新しいものを生み出す「イノベーションの段階」と、生み出されたものを効率よく運用する「オペレーションの段階」があります。

 

ヒエラルキー組織は、オペレーションに適した組織形態で、業績が安定した大企業に向いています。経済成長期が長く続いたことで、中小企業でもヒエラルキー型が定着しましたが、外部環境の変化が激しい時代には向いていない組織形態であり、イノベーションの足かせになります。

 

中小企業には、変化する状況に応じ、変幻自在に変わることができる柔軟な組織が求められます。

“プロジェクトチーム”で人材の流動性を高める

中小企業でイノベーションを実現するためには、限られた人材でトライアンドエラー(たくさん試して、上手くいく方法を探る)に耐えられる、柔軟な組織をつくる必要があります。そのためにはプロジェクトチーム(以下、PT)をつくる技術が求められます。

 

イノベーションの段階にいるとしても、オペレーションがなくなるわけではありません。ほとんどの社員はオペレーションに就いているはずです。

 

人材にゆとりがない中小企業では、イノベーション専用の人材を採用し、特命チームをつくる余裕はありません。日々の業務を回しながらイノベーションに挑戦しなければなりません。

 

そこで、部署を超えた有志でPTを結成するという方法が有効です。イノベーションと言うと大上段に構えてしまいますが、小さなプロジェクトで構いません。

 

結成の手続きが非常に重要です。失敗するPTの典型は、メンバーを選考し、集めてからゼロベースでやることを決めるというスタイルです。これまで私は、様々なプロジェクトに関わってきましたが、この方法で上手くいった試しはありません。

 

良いメンバーが集まっても、そこで決まったことは、みんなが60%の熱意しか持てないのです。

 

優れたPTは、アイデアを持った熱量の高い1人のもとに立候補制で人が集まり結成されます。誰か1人が面白いことを言い出して、そこに共感した人が集うのです。キャンドルリレーのように、1人の炎(熱量)が周りに伝播していくのです。


PTは途中で頓挫したり、失敗に終わることもありますが、それで「ジ・エンド」ではなく、何度も挑戦することができます。

 

PTが自然発生する組織になれば、社員を消費しなくても流動性の高い組織になり、出世以外の新しい希望を持つようになります。

 

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