大盤振る舞いの裏に「アナタの面倒は見ない」というメッセージ
これまでも個人の資産形成のためにNISAは一定の役割を果たしてきましたが、新NISAは金額(投資枠)の違い、非課税期間の長さに込められた意図が違います。
社会保険料の増額、消費税増税等、実質的な手取りが減少し続けている状況で、これだけの大盤振る舞いを政府がする意味を考えて欲しいのです。
“1800万円”(新NISA投資枠)という投資金額は、普通に働いている人にとっては、株式投資に振り向けることができる金額としては十分でしょう。つまりそれは一部のお金持ちということではなく、これから一般サラリーマンが長期的に株式投資をしていく際には、非課税で投資することが当たり前になるということです。これは私を含めたサラリーマン兼業投資家にとってはこのうえない朗報です。
サラリーマンが汗水たらして得た労働所得というのは、5割ぐらい持っていかれてしまうのです。そして、給与所得者として働いている以上、それに抗う方法がありません。
自営業者に比べて節税の手段が限られているサラリーマンにとっても、投資だけがここまで優遇、しかも最大1800万円の枠まで増やすことができるという意味を考えて欲しいのです。株式投資が非課税というのは“金持ち優遇”という批判にもかかわらず、です。
それは今後、国がアナタの面倒を見ない、足りない分は自分で増やすことで老後の生活を賄うしかないということを意味しています。
それが、今回スタートした新NISAという投資システムに込められた国からのメッセージなのです。
そうだとすれば、新NISAを利用しない手はありません。いえ、利用する人と利用しない人では経済的な格差が広がる一方でしょう。
新NISAをきっかけに、株式投資に足を踏み入れる人も多くなるでしょう。この先に何が起こるかわからない世の中で、ゆっくりとではありますが、投資に関するスキルを身につけることも次第に常識化していくはずです。
「国策に売りなし」
新NISAが国の政策で後押しされている“国策”である以上、株式投資で言う“買い”なのです。
「国策」……国が目標を掲げて政策で後押しする分野・「防衛関連」「DX関連」「インバウンド関連」「半導体関連」……など。
※国策に関連する銘柄「国策銘柄」➡市場テーマとなり、人気化しやすい➡株価アップ!
「新NISA」・恒久非課税、投資枠拡大など、大盤振る舞いで国が後押しする「国策」
※一般サラリーマン投資家は事実上“株式投資が非課税”➡株式市場に資金流入
要点:『新NISAは“国策”。国策は買い!』
長田 淳司
サラリーマン投資家
※本記事は『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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