(※写真はイメージです/PIXTA)

「経済は右肩下がり、少子高齢化で年金をもらえるかもわからない」…そんな話題ばかりが目につき、お金の不安要素だらけで将来に希望がもてないという人もいるでしょう。しかし、その不安が実は「勘違い」や「思い込み」から来ているとしたらどうでしょうか? 本記事では、『働く君に伝えたい「お金」の教養 』(ポプラ社)から、出口治明氏が「お金の不安から抜け出す方法」について解説します。

あなたの不安はメディアにコントロールされている

それでは、「どうして不安になるのか?」の前に、「そもそも、なぜメディアは不安ばかり煽るのか?」を考えてみましょう。

 

答えは簡単。不安を煽るほうが商売がしやすくて、「儲かる人」がいるから。それだけのことです。

 

残念なことに、メディアに不安を煽ろうとする一面があるのは否定できません。メディアで働く人も、メディアを通じて情報を発信したい外部の人たちも、それぞれに自分の「商売」があります。彼らは、商売を上手に回していくためのとっておきの方法を知っているのです。

 

それは、民衆、つまり僕たち一般市民の不安を煽ること。

 

たとえば、団塊世代の僕たちが若いころの話ですが、「オイルショック」という原油高騰騒動にあわせて、「紙不足になってトイレットペーパーがなくなる」という噂が流れました。そして、日本中の人たちが大量のトイレットペーパーを買い占める大パニックに発展したのです。

 

もっと身近なところでは、健康不安を煽って商売する健康食品会社、お受験の不安を煽る進学塾など、いろいろありますよね。

 

不安になれば、まじめな人ほどなんとかしようと行動する。そのまじめな人の行動の先には、必ず「儲かる人」がいる。

 

このことを忘れないようにしてください。お金に関しても、まったく同じです。お金の話題は不安を煽りやすく、何より儲かりやすい。そのため、意図的に情報が発信されていることが多いのです。

 

想像してみてください。

 

あなたが金融機関の営業担当で、お客様に老後の資産運用を勧め、金融商品を買ってもらわなければならないとします。そろそろ後輩も入ってきたし、結果を出さないといけない。ちょっと焦っているところですね。そんなとき、どのようなセールストークを展開するでしょうか。

 

「年金制度は崩壊しませんよ。安心してください」

「政府の財政も信用して大丈夫です。心配しないでください」

 

そのような説明では、誰も資産運用のための金融商品なんて買ってくれませんよね。

 

「年金制度は信用できません。自分の身は自分で守らないと」

「こんなに政府の借金があるなんて危ないです。海外に投資しましょう」

 

そう言って不安を煽ることで、商品を買ってもらおうとするでしょう。

 

なぜ、書店では不安を煽る本や雑誌が置いてあり、テレビではコメンテーターが深刻そうな顔をしているのか。それは、老婆心だけではないのです。メディアの情報に接するときには、「これで儲かるのは誰だろう?」と考えるクセをつけましょう。

 

それに、不安を煽ったりおトク感を匂わせたほうが純粋に「面白く」なるのですね。視聴率だって取れるし、本だって売れる。ネットの記事だって読まれる。

 

みなさんも、英語ができないと社会で通用しないと脅かされたら、「英語は時間をかけて勉強しないと上手くならない」(これは真実ですが)という本より、「この工夫ひとつで誰でも英語が話せるようになる」という本に目が向くでしょう?人間は元来そのような生き物なのです。

 

 

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