アメリカ軍が本土に上陸…激化した沖縄戦
陸軍の〔小磯国昭内閣〕のときの東京大空襲(1945.3)では、焼夷弾による東京下町への無差別攻撃で、死者が約10万人に上りました。
アメリカ軍が沖縄本島へ上陸すると(1945.4)、総辞職しました。海軍の〔鈴木貫太郎内閣〕のとき(鈴木は侍従長の経歴があり、昭和天皇に終戦工作を期待された)、沖縄戦(1945.4~45.6)が展開しました。
男子学徒は鉄血勤皇隊として戦闘に参加し、女子学徒はひめゆり隊などとして看護に従事するなど、地上戦で県民が直接戦闘に巻き込まれ、「集団自決」に追い込まれた人びとも含めて多くの犠牲が出ました。
死者は軍人約9万人・民間人約9万人、うち沖縄県出身者は合計12万人以上にのぼりました。ドイツ降伏(1945.5)の後、連合国と戦っているのは日本だけとなりました。
連合国の戦後処理に関しての方針
日本やドイツ・イタリアと戦っていた連合国は、アメリカ・イギリスを中心に、第二次世界大戦の戦後処理を協議しました。すでに、エジプトのカイロでアメリカ・イギリス・中国による会談が開かれ、カイロ宣言が出されていました(1943.11)。
戦後日本の領土について、満州や台湾・澎湖諸島の中国への返還、旧ドイツ領南洋諸島委任統治領の剥奪、朝鮮の独立が定められました。そして、ソ連のヤルタでアメリカ・イギリス・ソ連による会談が開かれ、ヤルタ協定が出されました(1945.2)。
秘密協定で、ソ連の対日参戦や、その見返りとして南樺太・千島列島のソ連領有が約束されました。さらに、ドイツのポツダムでアメリカ・イギリス・ソ連による会談が開かれました。その際、アメリカは日本に関するポツダム宣言を提案してイギリスと合意し、日本と戦っているアメリカ・イギリス・中国の名で発表しました(1945.7)。
日本の無条件降伏の勧告とともに、戦後日本の占領方針として軍国主義の排除と民主化が示され、これはGHQによる占領政策に継承されました。
日本が迎えた敗戦の形
8月6日、アメリカは開発したばかりの原子爆弾(原爆)を広島に投下し、死者は14万人以上となりました。
8月8日、ヤルタ協定に従いソ連が対日宣戦布告し、満州・朝鮮などに侵入しました。これにより、戦後に満蒙開拓移民の中から中国残留孤児が生じ、ソ連の捕虜となった兵士のシベリア抑留も起きたのです。
8月9日、アメリカは長崎に原子爆弾を投下し、死者は7万人以上となりました(広島・長崎の死者数は1945年末の時点での推計)。
そして、8月14日の御前会議でポツダム宣言の受諾が決定され、連合国に通告されました。こうして、日本は無条件降伏したのです。
8月15日、昭和天皇のラジオ放送が全国に流れ、〔鈴木貫太郎内閣〕は総辞職しました。
山中 裕典
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