(※写真はイメージです/PIXTA)

晩婚化や金銭的負担、社会意識の変化などさまざまな理由から、現代「子どものいない夫婦」は増えています。こうした夫婦のどちらかが亡くなり「相続」が発生した場合、トラブルに発展しやすいと、司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏はいいます。その理由はいったいなんでしょうか。具体的な事例をもとに、トラブルを防ぐための対策をみていきます。

「子のいない夫婦」の相続はトラブルが発生しやすい

田中夫妻のように、お子さんのいないご家族においては、被相続人の両親や兄弟が共同相続人となるので、このような相続トラブルが発生するケースは決して少なくありません。

 

また、働き方の変化や社会情勢により出生率は年々減少傾向にあることから「子のいない夫婦」は増えており、このようなトラブルは今後より増加することが考えられます。

 

では、今回のようなトラブルを防ぐには、どのような方法があるのでしょうか。

早めに「遺言書」の作成を

田中夫妻の場合、正人さんの死によって、子どものいない優子さんは、正人さんの両親と共同相続人になります。

 

したがって、優子さんが相続財産の3分の2を、義両親はそれぞれ3分の1ずつを相続することになります。

 

仮に正人さんの相続財産がマンション6,000万円、貯金3,000万円だった場合、優子さんが6,000万円のマンションを相続すると、貯金の3,000万円を正人さんの両親でそれぞれ2分の1ずつ相続することになります。

 

優子さんの場合は、夫の貯金のすべてを両親に持っていかれても、安定した収入があるので生活には困りません。しかし、専業主婦やパートアルバイトなどで稼ぎがない場合、貯金をすべて持っていかれてしまうと、生活できなくなってしまう可能性があります。

 

また、子どものいない夫婦の片方が亡くなってしまうと、両親だけでなく、兄弟、さらには姪っ子や甥っ子などのほとんど会ったことのない親戚までもが共同相続人となってしまう可能性があります。

 

よって、いきなり現れた親戚が「相続分をよこせ」などと言い、トラブルになる可能性があります。

 

こうした事態を防ぐには、早めの生前対策が必要です。

 

具体的には、夫婦間で子どもを作らないことが決定した段階で、相続財産のすべてを配偶者が相続できるように「遺言書」を作成しておくことをおすすめします。遺言によって指定された相続方法は、法定相続に優先するためです。

 

ただし、たんに遺言を書いておけばいいというわけではありません。作成した遺言書が有効なものであると認められるには、法律の定める厳格な要式に沿って作成する必要があります。

 

したがって、公正証書遺言を作成するか、自筆証書遺言を残す場合は遺言書の作成に詳しい専門家に相談し、法律の要式に沿った遺言書を作成することが必要となります。

 

「自筆証書遺言」に必要なポイントは以下の4つです。

 

①全文自筆で書くこと(一定の要件の元財産目録など、一部パソコンなどによってもOK

②作成した日付を自署すること

③遺言者の氏名を自署すること

④遺言書に押印すること

 

せっかく自らの意思を遺言書に記しても、有効な遺言書と認められなければその意思は相続に反映されません。上記のポイントを踏まえ、なるべく早いうちから対策をとっておきましょう。

 

 

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所

代表司法書士

 

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