50代・役職定年サラリーマンの絶望…「モチベーションが保てない」「定年後も働き詰め確定」給料50%減もフツーにありうる、厳し過ぎる現実

50代・役職定年サラリーマンの絶望…「モチベーションが保てない」「定年後も働き詰め確定」給料50%減もフツーにありうる、厳し過ぎる現実
(画像はイメージです/PIXTA)

サラリーマンは50代になると、そろそろ「役職定年」が心配になってきます。役職定年になれば、役職手当のみならず、基本給も賞与も軒並み減額となります。役職定年から定年退職までを無事に乗り切るために、いまから準備すべきことを見ていきましょう。FP資格も持つ公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

「私は今年で55歳。役職定年後が心配です」

私は今年で55歳になります。わが社では55歳になると、部長も課長も役職定年となり、給与も大幅減額されます。もちろんわかってはいましたが、いざ現実が迫ってくると、心の準備が追いつかず、正直ショックです。これから先まで仕事へのモチベーションを保てるか、自信がありません。

 

しかし、2人の子どもはまだ大学生と大学院生。しばらく学費がかかりますし、なにより、私たち夫婦の老後資金はとても十分とはいえません。妻もパートを頑張ってくれていますが、私が70歳まで働かければ老後は行き詰ることが目に見えており、先々を考えると、絶望しかありません。

 

(江戸川区・会社員・54歳)

 

「役職定年制度」とは、管理職にある人が、ある一定の年齢を超えるとその役職から外される、という制度で、「管理職定年制度」とも呼ばれています。

 

現在は、高齢者雇用安定法によって60歳未満の定年が禁止され、65歳までの雇用確保措置が義務化されているため、企業は多くの中高年社員を抱えることになります。給与の高い役職者は中高年であることが多いため、役職定年がなければ、企業は多くの社員に高い給与を払い続けなければなりません。

 

そのような事態を回避するために、年嵩の社員の役職を解いて人件費を削減するのが、役職定年制度を導入している企業の狙いだと考えられます。

 

ほかにも、役職定年を導入する理由として、若手社員にポストを与える、という目的もあります。役職定年でポストに空きが出れば、若手が役職に就くことができ、組織の活性化や若手の育成、世代交代の促進が見込めるためです。

役職定年後は「格下」のライン職に就くケースも…

役職定年制度を導入している企業は規模の大きな企業であることが多く、2018年時点の人事院の調査では、従業員数が100人以上499人以下の企業では約18%、99人以下では約10%だったことに対し、500人以上の企業では約31%が導入している、という結果が出ています。

 

同じ調査では、役職定年の対象となるのは、部長や次長、課長、支店長などの役職に就く人で、定年となる年齢は50歳から60歳と、会社によってさまざまではあるものの、ピークとなるのは55歳という結果も出ています。

 

役職定年を迎えたあとの職務としては、元の役職と同レベルの専門職やキャリア職に就く場合のほか、役職定年の前に異動したうえで、格下のライン職に就いたりするケースも見られます。

役職定年にもメリットはある

役職定年を迎えてしまうと、給料が下がり、格下の職務に就くこともあるなど、辛いことばかりのように感じられますが、役職定年制度にもメリットはあります。

 

役職に就いているときは、自身の努力や成績よりも、担当部署の成績が重視され、責任範囲が大きくなります。また、特別な技術や専門スキルより、全体の業務を見渡せる管理能力や判断力が必要です。役職の肩書がある以上、経営層からの要求や期待に応える必要があり、仕事に対するプレッシャーは大きくなります。部下の管理や指導で心身をすり減らしている方もいるでしょう。

 

しかし、役職定年となれば、自身が得意とする業務の知識をさらに学び深めることで、キャリアプランを再構築することができます。ほかにも、管理の仕事がなくなり、現場に出られるようになるかもしれません。

 

また、中高年になると体力面での厳しさを実感することも増えてきます。役職定年になれば、社員の1人として自分のペースで働くことができ、家族との時間を増やすなど、ワークライフバランスの改善にもつながる可能性もあります。

収入の減額は「将来の年金額」に影響する

ここまで役職定年のメリットを述べてきましたが、役職定年になると基本給が下がり、賞与が減り、役職手当もなくなります。減少幅ですが、一般の事業会社では約20%の減少、大手金融機関では約50%の減少ともいわれています。

 

ここまで大幅に収入が下がると、家計への影響は避けられません。住宅ローンや教育資金、老後資金などを抱えている場合は、マネープランを見直す必要があります。

 

また、役職定年で給与や賞与が下がると、それに連動して厚生年金の受給額も減額します。厚生年金の支給額は、報酬額の平均値に一定の料率をかけて計算しますが、報酬額の平均値が下がることによる影響です。

 

出世や昇進の階段を駆け上がってきた人は、肩書が取れたことで、一緒にやる気も失いかねません。とくに役職定年後も同じ部署に在籍する場合、部下に命令する立場から、新しい役職者の命令に従う立場に変わるため、強い抵抗感やストレスを感じる方もいます。

 

また、新しい部署に異動した場合では、これまでの経験や知識が役に立たず、若手社員に交じって学び直さなければなりません。これも、なかなかのストレスだといえます。

定年退職前にすませておきたい「3つの準備」

役職定年を迎えたら、次に待つのは定年退職です。ここからは、定年退職の前までのあいだに準備しておくべきことを紹介します。

 

なにより重要なのは、就業規則を調べることです。その際、とくに確認するべきこととして、以下の3点が挙げられます。

 

①定年退職後の再雇用制度:制度の有無と、もしある場合は何歳までの雇用かを確認

②仕事内容や所属部署:再雇用された場合の業務内容等を確認

③勤務形態:再雇用された場合は常勤かパート勤務か等を確認

 

また、定年退職後に再雇用されたとしても、さらに報酬は減少することになります。これは、仕事量が減少し、勤務時間を短縮して再雇用されるケースが多いためです。

 

報酬の減少によって老後資金が不足すると予想される場合や、仕事内容にさらなるやりがいを求める場合、同じ会社で働かずに、新たな活躍先を求めて転職先を探す、というのもひとつの選択肢です。転職するのであれば、50代のうちに新しい仕事を見つけるべきだといえるでしょう。

 

60代になるとハローワークやシルバー人材センターで仕事を探すことになり、選択肢が狭まる可能性があります。

 

 

岸田 康雄
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

 

★役職定年制度のメリット・デメリット、定年退職までに準備すべきことについてはチェック!

「役職定年制度の全知識」50代前の管理職が知るべきメリットと定年退職への準備

 

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