「貯蓄がなくて老後が不安でしかたがない」と嘆いていても何も解決しません。大切なのは、できるだけ早くからマネープランや戦略を立てて準備しておくこと。本記事では、講演、執筆、個人マネー相談等で幅広く活躍するお金のプロ、頼藤太希氏・高山一恵氏による著書『1日1分読むだけで身につく 老後のお金大全100』(自由国民社)から、老後に向けてやるべきことを解説します。

老後のマネープランはどうつくればいい?

たとえば、老後の毎年の収入が240万円、必要な支出が300万円だとします。この場合、老後の赤字は毎年60万円です。さらに、それが65歳から95歳までの30年続いたとすると、不足金額は合計1,800万円です。老後のマネープランを作ることとは、この1,800万円をどのように用意するか具体的に考えることです


支出を減らせば、その分豊かな老後からは外れてしまいますが、用意するお金を減らすことにつながります。


収入を増やせば、老後の赤字減、黒字化が見込めます。年金を増やしたり、資産運用の資産を取り崩したりする方法が考えられます。65歳といわず、70歳、75歳……と働き続けることができれば、老後資金を用意すべき年数が減らせます。


そして、不足する老後資金を事前に準備する方法もあります。早くから貯蓄や投資をしてお金を用意していけば、老後資金をまかなえるでしょう。

 

さまざまな方法を利用して、老後不足するお金を用意していきましょう。

 

「タイムバケット」でやりたいことを「見える化」

長い老後に備えて、お金を用意することは大切ですが、人生に大切なのはお金だけではありません。どのように生きるかも大切です。

 

もしもお金に困らなくても、「やりたいことがない」のは寂しいものです。それに、お金をたくさん残して亡くなることは、そのお金を使うことで得られるはずだった経験をせずに亡くなることと同じです。


人生をより充実させるために、「タイムバケット」というツールを利用して、いつ何をしたいのかを考えてみましょう。


タイムバケットは、いうなれば「死ぬまでにやりたいことリスト」を年齢ごとに振り分けたものです。図のように、現在をスタート、予想される人生最期の日をゴールとし、その間を5 年、10年で区切ります。そして、その区切り( 時間のバケツ=タイムバケット)に、やりたいこと、起こりうる大きなイベントを入れていきます。


実際に作ってみると、自由な時間があるからできること、健康だから楽しめること、お金があるからできることが、それぞれ違うことがわかるでしょう。これからの人生で何をしたいのか、ぜひ考えてみてください。

[図表1]タイムバゲットでやりたいことを明確化

 

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