米国市場に「不確実性」をもたらす4つの要素
[図表1、2]に示すとおり、2024年も金融市場に不確実性や変動性をもたらす要素があります。
不確実性①世界の金利や日銀の政策
不確実性②地政学リスク、資源価格
不確実性③中国経済
不確実性④2024年の米大統領・連邦議会選挙
不確実性がもたらす金融市場の変動を乗り切るため、幅広い資産への分散投資が望まれます。
GAFAM+エヌビディア、テスラが時価総額全体の3割を独占
[図表3]に示すとおり、米国の主要500社で構成されるS&P500は、【左】わずか7企業が時価総額全体の約3割を占めています。また、【右】2023年の時価総額増加の約3分の2は、同じ7企業によるものです。
これら7企業を含む、一部の米国大型成長株式に、株式市場の資金が集中しています。
加えて、[図表4]に示すとおり、(大型成長株式の中心である)ナスダック総合指数は、【左】すでに「2割超の増益」が織り込まれています。また、【右】(業績対比の割高/割安を測る)株価収益率(PER)でみると、ナスダック総合指数は依然、割高な株価水準です。
分散投資の具体策①日本株式、世界の中小型/大型割安株式
[図表5]に示すとおり、TOPIX(日本株式)や、世界の中小型株式/大型割安株式の株価収益率(PER)には、①過去の水準や、②他の株式市場との比較で割安感がみられます。
【上の図】でみている「株価収益率(PER)」は、株価が予想利益の何倍で取引されているかをみる、株式市場のバリュエーション指標です。
まず、【青色】の世界・中小型株式と、【オレンジ色】の世界・大型割安株式の株価収益率(PER)は、過去対比でみると、2008年など、景気の低迷期のみでしか観測されないような低水準です。
また、【緑色】のTOPIX(日本株式)についても、2023年は株価上昇が著しかったにもかかわらず、過去対比でみると、株価収益率(PER)は依然、低水準です。他方で、【赤色】の米国・大型成長株式(グーグルやアマゾン、アップルなどの米国の大型テクノロジー企業が含まれる)には、割高感がみられます。
TOPIX(日本株式)や、世界の中小型株式/大型割安株式などの割安な株式市場に資金を多めに配分することで、分散投資を実践することが望ましいと考えられます。