ビジネスシーンに確実に存在する「ダミースカウト」に要注意
このアクションは企業の規模はどうあれ、一担当役員や一担当部長が独断で調査を行えるようなものではなく、企業トップの性格が色濃く反映されています。これをみて気持ちの良い手法だと感じる人はかなり少数派でしょう。
このように人材の登用や技術の漏洩、機密保持などについて手段を選ばず毅然と対応するところに一目置くか、もしくは正々堂々とした正面突破のコミュニケーションではなく猜疑心から事実を探ろうとすることに不快感を持つか、その捉え方は人それぞれです。ダミースカウトの手法に対する評価は人それぞれでしょうが、こうした手法がビジネスシーンに確実に存在していることは覚えておくべき事項です。
企業において会社法や商法の定めから考えると、取締役は雇用関係ではなく委任契約になります。
ですから取締役と事業部長はたとえ職務範囲に差がなかったとしても、法律上は厳然たる違いがあります。会社の経営に連帯責任を負う取締役の責任というのはとても大きなものです。
ですから、株主等のステークホルダーに対しての高いロイヤリティを求められるのは間違いありません。現在、役員候補で次期取締役の呼び声が高いポジションにいるような人は、そうしたタイミングでの聞こえの良いスカウト案件には、くれぐれも用心しておいたほうがよいでしょう。
今後もしヘッドハンターと接触する機会があったら、背後にダミースカウト的な動きがないかどうか、よく観察することをおすすめします。