課長~部長クラスで到達することが多い「年収850万円」。これ以上の給与アップを実現するためには、「会社から与えられたミッションをこなす」以外の“貢献”が求められるようになり、難易度も大きく高まるといいます。本稿では、東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏が、年収850万円からの給与の上げ方について解説します。
“直属の上司”の評価を得るだけでは不十分…「年収850万円」からの給与アップに不可欠な〈発想の転換〉とは?【キャリアのプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「年収850万円」からの給与アップに不可欠なスキルとは?

年収850万円を12ヵ月で割ると約70万円になります。一般的には“高給取り”とされる水準でしょう。

 

ですが実際に年収850万円を手にするようになると「とにかく税金が高いなぁ」と思うようになるはずです。家庭があるかないかによっても変わりますが、額面70万円の給与は、手取りでは約54万円。月給50万円超ともなれば、ある種の達成感も覚えるでしょうが、天引きされる税負担の重さを強く感じるかもしれません。

 

年収850万円といえば、中堅・中小企業では部長職のレイヤーに到達したあたりでしょうか。大企業ならば主任あたりで達成できるかもしれませんが、日本のビジネスシーンの平均でみると、課長~部長あたりで到達する年収帯といえそうです。

 

さて、この「年収850万円」からさらに給与をアップする難易度は、それまでとは次元が異なります。

 

もちろん、部長と課長では与えられたミッションや、その責任範囲も異なりますが、〇〇部であれ△△課であれ、営業やマーケティング、管理、経営企画など、それぞれの企業の組織図の上で重要とされる働きが経営トップから期待されている点は共通しています。

 

部長や課長は、その組織の責任者という立場です。部や課を率いて経営サイドから高い評価を得られない限り、ここから先の昇進・昇格は実現できないのです。

 

もちろん、永年勤続することによりキャリアの終盤で論功行賞的な報奨を得ることはあるかもしれませんが、業績そのものを評価されるという点では、かなりシビアになってきます。これ以上のレイヤーになると、直属の上司からの直接評価ではなく、経営陣からの直接評価が必要です。そのせいで、年収を上げる難易度が一気に高まるのです。

 

いうまでもなく、与えられるミッションは以前より大きくなります。率いる「部」や「課」のパフォーマンスをなるべく最大化させること(すなわち目標等は必ずクリアすること)が必要です。それに加えて、大きなスキャンダルを起こさないことも大事になってきます。部下の管理責任を問われるようになるのもこの頃からです。チームやプロジェクトのメンバーが事故や不祥事を起こせば、管理責任を口実に部長・課長の評価を下げられる可能性があります。

 

そうなると、いくら自分自身が一生懸命頑張っても、与えられる評価は芳しくないものになってしまいます。年収850万円からのさらなる給与アップには、高度なマネジメントのスキルとノウハウが求められるのです。