企業にとっての「理想の人材」を素早く見つけるための原始的な方法とは?
人材コンサルタントはクライアントが求める理想の候補者像を的確に把握する必要があります。新型コロナ感染症が流行したときなどは面談そのものがなかなか難しかったのですが、最近はオンラインのシステムと併用するかたちで、企業と候補者の最初のお引き合わせができるようになりました。
この面談には人材コンサルタントが同席することが多くなっています。面談にエージェントサイドのコンサルタントが同席するのはさほど難しいことではありません。業界ではごく一般的な手法となっています。
ただし規模の大きなエージェントになればなるほど、ある程度システマティックにオペレーションを展開しているため、きめこまやかな同席面談はよほど大きなディールでなければ通常は実施しません。けれども中小のブティック型エージェント(担当者が企業側と候補者側の双方に向き合う仕組み)の場合は一般的によく行われています。逆に同席をあまり要望しない人事担当ということになると、そのエージェントを含め、企業の基本姿勢に何かしら問題があるのではないかという推測も成り立ちます。
いつも忙しさに追われている人事担当や事業責任者が人材エージェントに何度も求人のスペックを説明する時間を極力セーブしつつ「的確なスペック」や「期待する人物像」をイメージさせるには、原始的ですが面談に同席という方法がベターだと思われます。口頭で説明いただくだけでは把握しきれないような人物像、仕事に取り組む意欲や能力のレベル感などを人材コンサルタントが面接に立ち会い、その模様を拝聴することで感覚的に理解することができるからです。
ただし企業によっては同席を嫌がる担当者もいます。その理由は、コンサルタントのような第三者が入っていることで「場の空気」が変わってしまう、もしくは候補者に追い風が吹くことを気にするからです。候補者に強力な後見人がいることで、候補者が緊張せず普段以上の力を発揮することを警戒されることがあるのです。一般的な評価軸とズレが出てしまうことを嫌がる方もいるので、同席面談を無理強いすることはありません。