(※写真はイメージです/PIXTA)

先祖代々受け継いだ土地や建物などの資産で、何もしなくても家賃収入を得て楽に暮らしている、と世間からは思われがちな「地主」たち。しかし、先祖や家族から受け継いできた大切な土地だからこそ、その対処に苦慮するケースもあります。地主専門の資産防衛コンサルタント業に従事する松本隆宏氏の著書『地主の真実』より、令和時代の地主たちが抱える深刻な問題を、具体的な事例をもとに見ていきましょう。

コンビニテナントの入居前日に、叔父が逝去…

別の店舗が入居していた頃から、「社長、ここの1階のテナントさんが出ることがあったら、ぜひ声かけてください」と大手コンビニチェーンからオファーがあり、紘子さんが閉店の準備を始めた際、その話が決まり、コンビニが入居することになった。

 

叔父の毅さんは大いに喜んでいた。しかし、コンビニが開店する前日に毅さんは倒れて入院、そのまま亡くなった。

 

叔父さんの所有分は、そのまま娘の初美さんが引き継いだ。

 

駅前ビルは紘子さんと初美さんが半分ずつ所有することになった。

 

老朽化が進み、大きな費用がかかる大規模な修繕が必要になってきた。2人は話し合い、ビルを売ってもいい、と決断した。

 

「お会いして、1~2年かけていろいろな話をしまして、私もあちらも、この先、子どもたちにまた同じような思いをさせるのは嫌なので、ここで終わりにしたいですね、という話になりました」(紘子さん)

 

ビルは入っているテナントによって、売却価格も違ってくる。いいテナントが入ったことで、ビルの価値は上がった。不動産市場も伸びてきていて売却には絶好のタイミングだった。

 

先祖や家族から受け継いできた不動産を売るには、それだけの理由がある

駅前ビルを売却できたのは、令和4年の8月。売却のタイミングは、数年の時間をかけて、ていねいに見極めた。不動産価格は時期によって変わるが、流れを注意して見ていれば、おおよそは読める。

 

個人が買える規模ではないが、場所がよいので、不動産業者が手を上げてくれた。結果、読みよりも、かなり上振れした価格で売却できた。

 

高く売れれば、次のステップも変わってくる。この売却の成功は、亡くなった人たちが応援してくださったのではないか、と紘子さんとも話したことがある。

 

先祖や家族から受け継いできた不動産は、売るには売る理由がある。売ると決めた以上、より高く売れる可能性を追求することが大切だ。

 

 

松本 隆宏

ライフマネジメント株式会社

代表取締役

 

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※本連載は松本 隆宏氏による著書『地主の真実』(マネジメント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

地主の真実

地主の真実

松本 隆宏

マネジメント社

世間一般にイメージと違う地主の真の姿を明らかにし、どのような問題をかかえ、どのように解決し資産防衛してきたかを著者=「地主の参謀」がレポートした。

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