前回は、アパート建築など「相続税対策の王道」とされてきた手段の問題点について解説しました。今回は、アパート経営の節税効果について、計算上ではどのような数字が出てくるのかについて説明します。

計算上では確かな節税効果が生じるが・・・

ここで、アパート建築の節税効果を見ていきましょう。節税効果の第一としては、建てたアパートやマンションの相続税評価額が、建築費に比べて約3分の1程度と著しく低くなることがあげられます。つまり、1億円で建てた建物の評価額が3300万円程度になるわけです。

 

その一方、建築費に充てる預金なり借入金なりは100%評価です。つまり、100%評価のものが、33%評価の資産に転換することで、建築費の67%の評価が下がります。なお、一般の本のほとんどすべてはこの評価額を建築費の6〜7割と書いてありますが、それは間違いです(ただし、店舗や事務所といった非住宅系の建物の評価は6〜7割なので、そちらについては問題ありません)。

 

節税効果の第二は、賃貸住宅の敷地(貸家建付地)であることを理由に、約2割の減額がなされることです。この土地を売却するには、借家権で保護されている入居者を立ち退かせる必要があります。つまり、売却のために経費や時間を要することが減額の理由です。

 

第三は、建物も借家人が住んでいる貸家であることにより、先の建物の評価額がさらに3割引になることです。

 

ついでに言えば、駐車場といった更地状態の土地にアパートを建てれば、今までかなり高かった土地の固定資産税・都市計画税が、約5分の1になります。固定資産税等は、住宅用地と非住宅用地で税額がガラッと変わるからです。この節税効果もかなりのものです。

賃貸住宅供給過多の時代、判断には慎重さが大切

ところで今日では、アパート建築を強引なまでに勧める営業マンが横行しています。彼らの中には、契約獲得による多額の報奨金だけを目当てに、あの手この手で迫ってくる輩もいるようです。

 

ご承知のように、今、賃貸住宅は圧倒的に供給過剰な状況にあります。くれぐれも彼らの口車に乗らないように注意しましょう。それでも建てると言うのなら、良心的な事業者を選択し、その地域の市場動向をしっかりと調査した上で行うべきです。

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    本連載は、2014年2月27日刊行の書籍『相続税を減らす不動産相続の極意』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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