前回は、「広大地」の認定を得るための方法について解説しました。今回は、土地の利用状況や、地形をコントロールして評価単位を変更し、節税するテクニックについて解説します。

相続税における土地の「評価単位」に注目する

土地は公図に基づき、登記簿で区分された筆によって管理されています。一方、相続税では登記簿とは関係なく、その土地の利用状況による評価単位(評価すべき土地の単位)になり、評価の対象とすることとなっています。

 

評価単位は、まず土地の地目(宅地、畑等)で区分します。次に同じ宅地でも他人の権利が付着しているかどうかといった区分も行います。たとえば、借家権が発生している賃貸建物の敷地(貸家建付地:かしやたてつけち)や、借地権が付着した土地(貸宅地:かしたくち)は、一般の土地(自用地)とはそれぞれ別の評価単位となります。

 

となると、こうした土地の利用状況を工夫して、評価単位を変更することで節税するという考えが出てきます。

 

下にあげた図表1のように、Aのような角地の農地があったとします。この土地の評価は、路線価の高い路線(正面路線)の150をベースに側方路線の100に5%を乗じた値を合計した額(155)を基準に評価します。

 

しかし、これをA’のように分割し、広い道路側を駐車場にでもすれば地目が区分され、別の評価単位となります。

 

[図表1]地目による評価の圧縮
[図表1]地目による評価の圧縮

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで農地に適用される路線価は100と大きく下がることになります。

故意に地形を悪化させて評価額を下げる方法も

評価単位については、この他にもいろいろ工夫が考えられます。たとえば、下にあげた図表2ような地形で貸家を建てれば、評価単位が区分されます。その結果、母屋の敷地は路地状敷地となって地形が悪化し、その分の評価が下がるわけです(下落幅は通常19%)。むろん、貸家の代わりに駐車場にしても理屈は同じです。

 

[図表2]評価単位の区分により評価は下がる
[図表2]評価単位の区分により評価は下がる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで留意すべきは、土地建物を身内に無償で貸す(これを使用貸借と言います)場合です。この使用貸借であれば、借家権が発生しないため、それらの敷地は自用地とされます。評価単位は自宅と区分されません。したがって上の図21の貸家に息子をただで住まわせた場合には一体敷地となります。

 

なお、息子を住まわせているものの、「評価単位を区分して評価を下げたい」という要請もあるでしょう。であれば、息子から家賃をもらうことです。額は相場の半分ちょっとくらいでいいでしょう。

 

これでめでたく評価単位が区分されます(その分に見合う額は、まったく別のタイミングで贈与するのも一法です)。ただしその家賃収入は正式なものであることを証明するため、きちんと確定申告してください。

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