「配偶者の税額軽減」で相続税を抑えられても…子のいる世帯が「相続しない方がいい財産」とは【税理士が解説】

「配偶者の税額軽減」で相続税を抑えられても…子のいる世帯が「相続しない方がいい財産」とは【税理士が解説】
※画像はイメージです/PIXTA

相続税の配偶者の税額軽減(配偶者控除)は、配偶者が相続した財産について、「法定相続分もしくは1億6,000万円までを無税にする」という大きな節税効果があります。しかし、相続税を抑えられるからといって、被相続人の資産をできるだけたくさん相続すると、あとあと子どもが頭を抱えることになると、税理士で渡辺資産税税理士事務所所長の渡辺由紀子氏はいいます。本記事では、同氏による著書『いつ死んでも後悔しない! かしこい生前贈与』(PHP研究所)から、配偶者の税額軽減の仕組みや注意点について解説します。

配偶者は相続しない方がいい財産とは?

父親から母親が相続すると、二次相続の際、子どもの税負担が重くなる資産もあります。

 

例えば実際の取引価格が高い財産や、収益を生むような財産、つまり、額の大きな財産は、二次相続で子どもが相続する際に子どもの税負担が重くなりますから、母親は相続をしない方がいいといえます。

 

また、「小規模宅地等の特例を受けた土地」というのも大きなポイントです。小規模宅地等の特例とは、一定の条件を満たすと、土地の評価額が大きく引き下げられ、相続税の負担が軽減できるものです。

 

かなり大きな効果がありますが、1度の相続において限られた面積の土地にしか適用されません。

 

例えば2つ以上の土地がある場合は、母親は特例を受けない土地(A)を、子どもは特例を受けた土地(B)を相続。二次相続の際に、母親の土地(A)を特例を受けて子どもが相続すれば、税負担を抑えて次世代に引き継げることになります。

 

① 相続税評価額よりも実際の取引価格が高い財産
② 収益を生むような財産(配偶者に十分な生活資金や収入がある場合)

point
配偶者が亡くなった際の相続(二次相続)のときに相続税の負担が重くなる


③ 将来値上がりが予想される財産
④小規模宅地等の特例を受けられる土地

point 父親が2つの土地を持っている場合

土地(A)は配偶者が小規模宅地等の特例を受けずに相続(配偶者の税額軽減があるので税負担が抑えられる)
土地(B)は子が小規模宅地等の特例を受けて相続
  ↓
二次相続時には子が土地(A)を小規模宅地等の特例を受けて相続
  ↓
二次相続を含めて税負担が抑えられる

 

 

渡辺 由紀子

税理士

渡辺資産税税理士事務所所長

 

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