父から告げられた「まさかの事実」に息子は動揺
Aさんはフルローンを組んだあとで、実家に帰省。父にマイホームを購入したい旨と生前贈与の話をしようとした矢先、父から「お前に話しておきたいことがある」と言われました。
父「あのな……実は、事業を畳むことにしたんだよ」
「えっ!?……廃業ってこと?」Aさんは動揺が隠せません。しかし父は淡々と、廃業の理由について話しました。
先月、父は注文とは違う刺しゅうを出荷してしまったそうです。年寄りの手作業ではすぐに代替品を作ることができず、所得2年分以上の製品損失分の代金を支払うことに。
また、それとは別に、築古の実家は居住部分に雨漏りがするようになり、知り合いの工務店に修繕を依頼したところ、「修理するより、作業場を含めて建て替えたほうが安上がりだよ」と言われたそうです。
「それでな、母さんともよく話し合って、看板を下ろすことにしたんだ」。
さらに父は続けて、「実家は取り壊すから、お前が家を建てて、そこに同居させてくれないか」と言います。
Aさんがこのタイミングで恐る恐る貯蓄について尋ねると、現在の両親の貯蓄は約2,000万円。店を畳んだことから今後の収入は年金だけになり、夫婦で181万7,600円(月額15万1,500円)※になるそうです。
※ 総務省「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、75歳以上の2人以上の無職世帯夫婦の実収入は23万5,223円、消費支出額は22万810円となっている。また父は数年間会社勤めをしたことがあり、その分の老齢厚生年金も受給している。
Aさんはこの事実を前に、自身の事情はついぞ打ち明けることができませんでした。そのまま家に帰り、「どうしよう……」と顔面蒼白になったAさん。後日、過去に会社へ講演に来ていた筆者のところへ相談にみえました。
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