(※画像はイメージです/PIXTA)

11月22日の衆院予算委員会で、岸田首相はガソリン税の「トリガー条項」の凍結解除を検討する考えを示しました。これに対し、24日、鈴木財務相は、トリガー条項の凍結を解除すると国・地方で「1.5兆円の財源」が必要になると指摘しました。政府はこれまで石油元売事業者等への「補助金」支給により対応してきましたが、ここへきてどちらを選択すべきかで揺れています。それぞれの選択肢の問題点について解説します。

◆燃料油価格激変緩和補助金の「長期化」で想定される問題

燃料油価格激変緩和補助金は、期間限定の暫定的な措置として施行されたものです。また、補助金の制度自体が、一時的なものです。したがって、今後、長期にわたって継続するとすれば、以下の問題が生じることになります。

 

・補助金という制度自体の問題

・財源の問題

 

第一に、補助金という制度自体の問題です。補助金は本来、特定の者に経済的利益を与えるものであり、性質上、一時的、限定的に行われるものです。また、特定の事業者を他の事業者より優遇することになるので、長期化すれば公平を欠くことになりかねません。

 

「燃料油価格激変緩和補助金」は石油元売事業者と輸入事業者に対して特別な経済的利益を与えるものであり、しかも、当初は前述したように期限も数ヵ月に限られていました。それが、2023年4月まで続くとすれば2年以上にわたることになります。このまま補助金を継続すると、どうしても無理が生じることになります。

 

第二に、財源の問題です。西村経済産業大臣は、10月25日の閣議後の会見で、「このペースでいくと、年間数兆円の財政支出になるので、いつまでも続けるわけにもいかない」と述べ、長期化に懸念を示しています。現に、2022年度においては、燃料油価格激変緩和事業のため5月の補正予算で11,655億円、12月の第二次補正予算で3兆272億円が計上されました。そして、補正予算の財源の多くは国債発行で賄われました。もし、補助金を現在の規模で続けるならば、慢性的な赤字状態に悩まされているわが国の財政状況はさらに苦しくなります。

 

このように、「トリガー条項の凍結解除」と「燃料油価格激変緩和補助金の継続」のいずれも問題を抱えています。特に、いずれも「財源」をどうするのかということは、いずれを選ぶにしてもきわめて深刻な問題になります。

 

ガソリン価格の高騰の主な原因は、前述したように、エネルギー価格の世界的な高騰や円安です。しかし、それらに加え、経済の停滞により国民の給与が上がらないこと、エネルギーの多くを海外からの輸入に頼る産業構造等も影響しています。国民の負担を軽減するには、政府・国会は、「トリガー条項の凍結解除」と「燃料油価格激変緩和補助金の継続」のどちらを選択するにしても、ガソリン価格の高騰を招いている諸問題に対し、いずれも有効な対処法を見出す必要があります。

 

 

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