(※画像はイメージです/PIXTA)

11月22日の衆院予算委員会で、岸田首相はガソリン税の「トリガー条項」の凍結解除を検討する考えを示しました。これに対し、24日、鈴木財務相は、トリガー条項の凍結を解除すると国・地方で「1.5兆円の財源」が必要になると指摘しました。政府はこれまで石油元売事業者等への「補助金」支給により対応してきましたが、ここへきてどちらを選択すべきかで揺れています。それぞれの選択肢の問題点について解説します。

現行の「燃料油価格激変緩和補助金」のしくみと継続することの問題点

◆燃料油価格激変緩和補助金のしくみ

次に、現在行われている「燃料油価格激変緩和補助金」について解説します。

 

「燃料油価格激変緩和補助金」は2022年1月から実施されています。これは石油元売事業者と輸入事業者に対し、ガソリン価格の値下げの原資に充てるための補助金を支給するものです。

 

補助金の支給条件や補助金の期限は、当初から現在に至るまで、変遷を繰り返してきました。

 

制度開始当初は、ガソリン価格が全国平均で1リットル170円(基準額)以上になったら1リットルあたり5円(補助上限額)まで支給するというものでした。また、期限は2022年3月までと、ごく短期に設定されていました。

 

2022年1月の制度開始当初の情勢を振り返ると、世界経済が新型コロナウイルス禍から回復しつつあり、原油の需要が増加していました。また、一部の産油国で生産が停滞していました。それらが相まって原油価格が上昇していたのです。

 

しかし、その後、2022年2月からのロシアによるウクライナ侵攻や、記録的な円安といった事情が重なり、ガソリン価格がさらに高騰してきています。それに伴って燃料油価格激変緩和補助金の期間も延長に延長を重ね、現在は「2023年4月末まで」ということになっているのです。また、補助金の「基準額」(ガソリン価格がいくら以上になったら支給するのか)と、「補助上限額」(いくらまで支給するのか)が変更されてきました([図表]参照)。

 

出典:資源エネルギー庁HP
[図表]燃料油価格激変緩和補助金の支給条件・支給金額の変遷 出典:資源エネルギー庁HP

 

2023年11月24日時点では、ガソリン価格が1リットル168円を超えたら補助金が支給されることになっています。補助率は以下のように計算されます。

 

【燃料油価格激変緩和補助金の補助率】

・1リットル168円超~185円の部分:60%

・185円超の部分:100%

 

補助金額は、支給される週の前週に特殊な計算方法を用いて決定されます。前週と前々週の価格からその週の価格を予測し、その価格に上述の補助率を乗じて算出します。

2023年11月22日~11月29日の補助金の額は1リットルあたり23.5円です。

 

注目のセミナー情報

【国内不動産】5月16日(木)開催
東京23区×新築×RC造のデザイナーズマンションで
〈5.5%超の利回り・1億円超の売却益〉を実現
物件開発のプロが伝授する「土地選び」の極意

 

【事業投資】5月25日(土)開催
驚異の「年利50% !?」“希少価値”と“円安”も追い風に…
勝てるBar投資「お酒の美術館」とは

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧