ホストクラブ「売り掛け」に苦しむ若い女性たち
このところ国会の議論が活発となっている「悪質ホスト」対策。20日には首相が国会で答弁するまでに至りました。
問題視されるきっかけのひとつとなったのが、「頂き女子りりちゃん」の逮捕・起訴です。「頂き女子りりちゃん」は稼いだ2億円をほとんどホストクラブで使ったと供述しています。
さらに実際に〈ホストクラブにのめり込んだ末、900万円の借金を負ってしまった娘〉をもつ母親の内閣部会での訴えも、SNSを中心に話題となりました。
多額の借金が発生するワケは、ホストクラブに存在する「売り掛け」、つまりツケ払いのシステムにあります。通常の後払いシステムは本人の返済能力が考慮されて成り立ちますが、「ホストと客」あくまで個人間での貸し借りとなるため、返済能力を大幅に超えてしまうことも。これを繰り返し、膨らんだ借金を返済できなくなった女性たちが、風俗店勤務や売春に行き着くケースが多発しているのです。
成人年齢が18歳まで引き下げられたことで、18、19歳といった若い女性が狙われるようになったことが事態を深刻化させています。
こうした事態を受け、元ホストで実業家のROLAND氏はX(旧Twitter)にて「この度一連の報道を重く受け止め、トラブルを未然に防ぐ為、グループ全店舗で一切の売掛を禁止させていただくという決定に至りました」と発表しました。
「借金返済」が救済される?
さらに、借金返済に苦しむ人に向けて「国が税金を投入するらしい」とネット上で議論を呼んでいますが、国は「借金返済」そのものを救済すると示唆しているわけではありません。
政府が取り組んでいくとしているのは売春防止法違反、職業安定法違反等の違法行為の取り締まり、風営適正化法に基づくホストクラブへの立ち入り指導、消費者契約法等の関係法令の周知、相談対応の強化等です(首相が答弁内で説明)。相談対応に税金が使われることにすら憤りを感じる方もいるかもしれませんが、現時点で「借金をなかったことにする」と述べられているわけではないことに注意が必要です。
いわゆる「色恋営業」にのめり込むことについては、自業自得だとする意見もみられますが、デート商法(恋愛感情を利用し、高額な商品・サービスの購入を促すこと)に抵触することは十分にあり得ます。
「ホストと女性」だけの問題ではなく、キャバクラなどで同様の営業に苦しめられる男性もいるでしょう。深刻な事態となる前に、あるいはなってしまってからでも、法律家へ相談してみるのが一手です。
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