40代夫婦、〈月4万7000円〉の米ドル建て終身保険を9年間払い続けるも…老後資金の準備には程遠い「厳しい現実」【保険のプロが解説】

40代夫婦、〈月4万7000円〉の米ドル建て終身保険を9年間払い続けるも…老後資金の準備には程遠い「厳しい現実」【保険のプロが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

生きていくうえでの「安心」を買うために、我々が加入している「保険」。「掛け捨てではない」「外貨で運用するのでお金が増えやすい」という売り文句につられて加入する人も少なくありませんが、果たしてそれは正解なのでしょうか。保険商品の仕組みから業界の裏事情まで知るオフィスバトン「保険相談室」代表の後田亨氏が、老後資金の貯蓄にも有利、といわれる「米ドル建て終身保険」について解説します。

「米ドル建ては金利が高く、お金が増えやすい」の誤解

(後田):とはいえ、米ドル建ての保険も、解約してお金を使うときは円に換えますよね?

 

(五十嵐有司):はい、そのつもりです。

 

(後田):そうすると、為替レート次第です。

 

(五十嵐有司):例えば、20年後に解約するとき、お金が増えているとは限らない。円高だと残念な結果になるということですか。

 

(後田):はい。円安でお金が増える可能性もありますが、どちらに振れるかはわかりません。今は1ドル140円台だとして、120円になれば、円に換えた金額は15%ほど減り、90円だと35%くらい減るわけです。

 

(五十嵐美香):さすがに1ドル90円台はないかなぁと思いますけど。

 

(後田):おっしゃる通り、今の為替レートから大きく離れた数字は想像しづらいですよね。ただ、1982年以降の30年で見ても、1ドル70円台から240円台まで、3倍くらいの振れ幅があるんですよ。2022年など、1月から10月までの間に110円台から150円まで動きました(図表)。

 

出所:後田 亨氏著『この保険、解約してもいいですか?』(日経BP)より抜粋
[図表1]ドル円為替レートの推移(1980~2022年) 出所:後田 亨氏著『この保険、解約してもいいですか?』(日経BP)より抜粋

 

 

(五十嵐有司):思ったより動くんですね。為替レート。

 

(後田):はい。ですから、「米ドル建てだと金利が高いので、お金が増えやすい」というのは、あくまでドルベースの話であって、円に換える前提であれば、「成果は為替の影響が大きく、あてにならない」と見るのが無難なはずです。

 

(五十嵐美香):なんだか残念です。

 

 

後田 亨

オフィスバトン

「保険相談室」代表 

 

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※本連載は、後田亨氏による著書『この保険、解約してもいいですか?』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。

この保険、解約してもいいですか?

この保険、解約してもいいですか?

後田 亨

日経BP

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