管理職の役割2:マネジメント
管理職の役割、ふたつめが、マネジメントです。これは、目標達成のために現状の仕組みを変更することです。
管理職には「攻め」と「守り」が必要
先述した「コントロール」はどちらかというと守りの役割です。多くの大企業では、管理職がコントロールばかりしているので、官僚的になります。また、コントロールしかしていない管理職の部内にいる社員は、決められたことをやっているだけなので、動機づけが行われず、成長もしません。
そこで、管理職の攻めの役割、マネジメントが登場します。マネジメント自体にもさまざまな定義がなされていますが、突き詰めれば、目標達成のために現状の仕組みを変更していくこと、といえるでしょう。
管理職は全社目標を自部門の目標に分解する
まず、管理職は、全社目標を自分が責任を持つ部門に細分化して自分たちの目標を設定し、経営陣と合意します。当然ながら、会社の全社目標はトップリーダーが決めます(会社によっては、管理職自身が部門の目標を設定するのではなく、経営陣から強制的に目標設定されることもあるでしょう)。
たとえば、全社目標が売上100億円だとした場合、営業部門の管理職が立てるべき目標は、それを分解した「顧客数300社」という感じになるかもしれません。人事部門の管理職であれば「採用人数30人、離職率30%削減」という感じになるかもしれません。どの部門であっても管理職は全社目標に沿って、自部門の目標を設定しなくてはいけません。目標がなければ、毎日、何のために仕事をしているのかわからなくなるからです。
そして、自部門の目標が全社目標に沿ったものであるかどうかを経営陣と話し合い、合意したうえで正式な目標として設定します。
管理職はなんとかして目標を達成する
管理職は合意した目標をなんとか達成する(これがマネージの語源)ために、方策を考えます。実はこれこそが、Manage(マネージ)の語源です。「なんとかして」というとおり、倫理的、法的に問題がなければ、あらゆる手段を使って目標を達成すること。これが管理職が果たすべき責任です。
目標達成のための仕組みを変更する
もし、既存の仕組みでは目標を達成できないのであれば、それを変更します。
これまでは顧客への納品を一週間以内に終わらせる仕組みで運営されていたとします。しかし、このままでは顧客満足度95%が達成できないとわかったら、納品を3日以内に終わらせる仕組みを創ると決めます。そして部下と一緒に試行錯誤して仕事のやり方を変え、3日以内に納品するやり方を開発します。3日以内に納品する仕組みが見つかったら、その仕組みがいつでも守られるように「コントロール」します。
こうするとより高度な仕組みができることになりますので、その仕組みに沿って仕事をすることで部下は成長していきます。仕組みの変更にはたとえば、以下のようなパターンが考えられます。
■業務プロセスを変更する
業務プロセスを変更して、これまで納品まで一週間かかっていたものを3日以内に納品できるようにします。そのためには、まず現状の業務プロセスを可視化します。そして、「要らないプロセスはないか?」「短縮できるプロセスはないか?」と問いかけ、ムダなプロセスを排除して納品をスピードアップさせます。
■社員育成の仕組みを変更する
もし、3日以内に納品するために社員のスキルが足りないのであれば、これまでの教育の仕組みが悪かった、ということになりますので、その仕組みも変更の対象になるでしょう。
■使う道具を変更する
目標達成するために、使う道具を変更するのも手です。3日以内に納品するのが難しい理由が、古いパソコンを使っていて処理に時間がかかる、というのであれば、最新のパソコンに変更することです。
管理職を機能させるには仕組み化が必須
というわけで、まとめますと、管理職の役割は以下の2つになります。
・コントロール……基準どおりに業務が行われるように仕組みを創り、維持すること
・マネジメント……目標達成のために現状の仕組みを変更すること
この2つは一見、矛盾するようですが、両輪で回すことが大切です。コントロールだけでは、基準を守るだけの創造性がないチームになります。マネジメントだけでは業務に安定性が生まれません。守るべき部分は守り、変えるべき部分は変えるというバランスが大切なのです。
これをご参考に、自社内での管理職の役割を明確にし、皆の共通認識にしておくことが大切かと思います。
清水 直樹
仕組み経営株式会社
代表取締役
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