①やらなければいけないと分かっていても気が向かない
その第1の要因が「やる気に頼ること」です。
頭ではやらなければいけないと分かっていても、いざ机に向かっても違うことを考えてしまっている、参考書を広げてもやる気が湧いてこない――こんな受験生は山ほどいます。ふと我に返り、こんなことではいけないと気を取り直しても、モチベーションを保てないままで勉強が長続きせず、ただずるずると机の前で時間を無駄にしていくだけです。
しかし「やる気が出ないから今日は勉強をしてもはかどらないだろう」という考え方は、ただのなまけものの言い訳に過ぎません。受験を失敗に終わらせるこんな最悪の言い訳は今すぐ捨ててください。限られた時間のなかで成績を伸ばさなければいけないときに、やる気などという、あいまいで不確かな抽象的なものを理由にして、それにパフォーマンスが左右されているようでは目標達成など絶対に不可能です。やる気のあるなしだけで合格できるほど受験は甘くはないのです。
それでも人間ですから、どうしてもやる気の有無に引きずられてしまうこともあるでしょう。だったらそれをコントロールする効果的な方法を身につけておくべきです。
そもそもやる気というのは自分の内面から湧いてくるものではなく、むしろ外部からの刺激に反応して引き出されることが多いのです。例えば、多くの人は飽きることもなく延々とスマホを操作し続けます。しかしそれは操作するぞ、というやる気を内面から引き出しているからではなく、スマホ側が操作に対して反応・結果を返すから、さらにそれに反応して操作し続けるという動機づけがされるからなのです。
これを受験勉強に当てはめると、一人で勉強している場合は具体的な反応や結果が返ってこないため、勉強を続けるだけの動機づけがされずやる気が失われるのです。受験勉強において自学自習をいかに充実させるかは非常に重要なはずなのに、完全な独学のみでは継続が難しいという理由がここにあります。また、予備校の大教室などで特にアクションもせずリアクションも受けず、大勢いる生徒の一人になっている状況でも、結局同じことがいえます。
やる気が学習効果に影響するというのであれば、気分だけでなんとなく「やる気が出た」「出ない」と言っているのではなく、自分の意志で、あるいは周囲の力を借りて、コントロールできるようにする必要があります。