年度末の「かけこみ購入」は無意味…「初月」に購入するのがベスト
また、購入するならば、年度末は意味がありません。年度の早い時期、なるべくなら「初月」に購入するのがベストです。
なぜなら、減価償却費の計上は、その資産を事業に使用した月から「月割り」で行うルールになっているからです。
たとえば、12月決算の法人が、12月に600万円の高級中古車を購入して使用開始したとしても、年度内の経費として計上できるのは1ヵ月分(50万円)だけです。もし、その年度の決算対策をしたいのであれば、ほとんど意味がありません。それどころか、残りの11ヵ月分は翌期にわたって月割りで計上されていくので、もし、翌期の利益がはかばかしくなかったら、マイナスをさらに大きくしてしまうことになります。
したがって、もしも、年度内に全額を経費計上したいならば、事業年度の「初月」に購入するのがベストです。
ただし、事業年度の初月にその年度の利益状況を予測するのは困難なケースが多いと考えられます。それを考慮すると、実は、多くの会社に向いているとはいえないのではないかと思われます。
「事業のために必要」との説明ができないと「否認」のおそれも
以上は、あくまでも、減価償却のしくみからの説明です。3年11ヵ月以上の中古車を購入し、減価償却のルールに則って処理をしたとしても、税務署によって「否認」される可能性があります。
というのも、減価償却以前の問題として、自動車の購入代金の経費計上が認められるには、それが「事業の遂行のために必要なもの」といえなければならないからです。
たとえば、車種が「フェラーリ」「BMW」「ベンツ」等の高級外車については、なぜそのような車種でなければならないのかという理由を合理的に説明できなければなりません。
「社長が高級外車に乗っていると社会的な信用を得やすい」「社長のトレードマークとして大いにPRしたい」などです。
なお、実務上よく見受けられるのが、「節税」が自己目的化してしまっているケースです。「とにかく税金を払いたくない」というあまり、必要もない高級中古車をわざわざ購入する経営者の方がいます。しかし、これは貴重な事業資金の無駄遣いであるばかりか、最悪の場合、税務調査で否認されるリスクさえあります。
このように、高級中古車を購入しての「節税」「決算対策」には、様々な条件・ルールがあります。本記事で解説したことを十分に理解したうえで、慎重に検討することをおすすめします。
黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ 共同代表
公認会計士
税理士
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