なぜ富裕層たちは「高級会員制クラブ」に集まるのか?
世のなかには高級会員制クラブがいくつか存在します。私は過去に、国際的なビジネスを手がける実業家に取材した縁で、都内のある高級会員制クラブに招待してもらったことがありました。
そのクラブは都会の喧噪を感じさせない静かな場所にあり、内部にはレストランや広いロビー、プール、パーティー会場、図書館、スポーツジム、ボウリング場など、さまざまな高級感のある施設がありました。
そこでは英語も飛び交い、富裕層とみられる人たちが談笑をしていました。ノートパソコンで仕事をする人や会議をする人もいましたが、街なかのカフェやコワーキングスペースのような雰囲気ではなく、独特のゆったりとした空気が流れていたのが印象深かったです。
後から聞いた話では、そのクラブを利用するためには、会員からの推薦を受けたうえで、300万円を超える入会金を払わなければならないそうです。さらに毎月の会費がかかるので、一般の会社員や公務員が簡単に利用できるものではありません。
今は月額1万円ほどで利用できるワークスペースが少なくないなか、どうして高級社交クラブを利用する人がいるのか不思議に思わなくもありませんが、それはやはり、かけた金額以上のリターンが見込めるからなのでしょう。
高級社交クラブは限られた人しか利用できない場所ですから、利用者同士が気軽につながることができ、大きなビジネスにつなげやすくなります。
このように見えない価値にもしっかりお金を使うことが、富裕層の共通点なのです。
このクラブに私をご招待してくださったのは、毎年数千人単位で人脈を増やし、マザー・テレサやイギリス王室の人とも会ったことがあるという人物です。
その方が“マイルール”にしているのが、会食に行ったらできるだけ参加者全員と言葉を交わすということでした。
さらにはおみやげとして、自分がもつ有益な情報を分けることで信頼してもらい、人間関係を広げられているそうです。
このように富裕層が積極的に人とのつながりを増やし、その関係性を大切にするのは、自分自身の成長のためには不可欠と考えているからなのでしょう。
また、他者への貢献心も強いのだと思います。私は、どちらかというと内気なタイプで人見知りなほうですが、富裕層を見習って私なりに人とのつながりを重視しています。
これは独立をして強く感じていることですが、人間関係から仕事が生まれて発展していきます。人の期待に応えて可能な限りの価値を提供することが、仕事の本質だと思います。
富裕層を富裕層たらしめている人間関係への投資を怠らない習慣を、私たちも真似すべきでしょう。
小林 義崇
マネーライター
Y-MARK合同会社代表/一般社団法人かぶきライフサポート理事
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