少なくとも3名ほどの部下を抱え、常にチームを動かしているマネージャークラスのビジネスパーソン。年収は650万円ほどでしょうか。実はこの「650万円」というのは、そこから先、給与が上がる人・上がらない人の分かれ目になるケースが多いといいます。本稿では、東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏が、年収650万円からステップアップするために不可欠な考え方について解説します。
“1人で1億円”よりも“5人で4億円”売るほうが大事?…「年収650万円」のマネージャーがさらに〈給与アップ〉するための考え方【キャリアのプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

年収の上がる人・上がらない人が明確に分かれ始める

会社にもよりますが、このゾーンまでは余程のマイナス要素がない限り誰もが到達するだろうと思われます。

 

ところが、ここから先は年収の上がる人と上がらない人が明確に分かれてきます。自分の仕事をこなしつつ、チームメイトである部下のパフォーマンスをどうやって上げていくかという課題に適切な解を示す必要があります。その取り組みによって今後の出世のスピードが決まり、それが年収アップにも直結することはいうまでもありません。

 

年収650万円前後のマネジメント層というのは、まだ会社から予算や目標が与えられ、その達成の度合いで評価が分かれる段階だと思います。ここから加速度的にキャリアを上げたいという野心的な人は、会社から提示された予算の達成をどう図るかということだけでなく、「なぜこの予算額が出てきたのか」などの背景を深く洞察し、理解する必要があるでしょう。

 

会社の中期経営計画で、自分たちのチームには何が期待されているのかを知るべきです。

 

将棋に例えれば、「5~10手先を読む」ということ。常に仮説を立て、それが会社のミッションや方向性とどれほど差異があるか確認する作業が必要です。つまりPDCAを回す習慣をつけることが、マネジメントの登竜門に立つ人の今後の成長速度に影響するポイントになります。

 

年収650万円を超える頃になると、もはや会社の先輩たちが上にみたようなことを親切丁寧には教えてくれなくなるでしょう。そして、周囲にはライバルが虎視眈々と身構えています。だからこそ、自身で率先して「発想の転換」という意識を持ち始める必要がありそうです。

 

年収650万円の壁を超え、さらに会社に貢献する新たなステージをぜひめざしてみましょう。