「所得税率」を活用して「役員報酬」を設定すれば「節税」に
なぜ、役員報酬の設定の仕方によって税額の合計が変わるのでしょうか。
その理由は「給与所得控除」と「所得税率」にあります。所得税は収入の多い人ほど税金が高くなる、累進状の構造になっているので税額が変わるのです([図表2][図表3]参照)。

たとえば、個人事業主の夫が年間所得400万円で税金合計約71万円だった場合、会社を設立して400万円を給与として受け取るだけで税金は約27万円減って合計44万円で済みます。また、会社を設立するのに加えて自身の給料を300万円、妻の給料を100万円にすれば、税金はさらに約18万円減って約26万円で済みます。つまり、個人事業主でいるよりも、税金が合計約45万円も少なくなるということです([図表4]参照)。
![[図表4]「個人事業主、社長1人、主婦2人」の場合の税金一覧](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/d/6/625/img_d632c9b0cdea7e44331435ae5200c583243632.jpg)
小さな会社では、家族や親族の助けは資金面、労働力、メンタル面のいずれにおいても不可欠なものです。そうした家族従事者の労働力を適正に評価し、適正な給料を支払うことで、事業主だけが給料を多くした場合と比べて、節税効果が高くなるのです。「決して見栄えだけで、事業主の所得だけを高くしてはいけない」ということですね。
このように、年収が多い人ほど、会社をつくって家族で給料を分けると、節税効果が高くなります。
関根 俊輔
税理士法人ゼニックス・コンサルティング
税理士
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