10月24日~30日の「FX投資戦略」ポイント
〈ポイント〉
・先週の米ドル/円の値幅が1円未満になるなど、このところ小動きが続いている。これは介入警戒の他、米金利上昇が米ドル買いにつながりにくくなってきたことの影響か。
・米金利上昇は、強い米景気だけでなく、米財政赤字への懸念、「悪い金利上昇」の側面もありそう。
・米金利上昇でも米ドル買い鈍い状況続く場合、米ドル高余地は限られる見通し。今週の予想レンジは147~151円中心で想定。
先週の振り返り…週間値幅が1円未満に縮小した米ドル/円
先週の米ドル/円のレンジは148.996~149.989円となり、最大値幅は0.993円で2023年では初めて1円未満となりました。
さらに言えば、17日に瞬間的に149円割れとなったものの、その後はすぐに149円半ばまで戻していることから、実質的には1週間を通じて149円半ば~149.9円といった僅か0.5円程度の極めて狭いレンジでのもみ合いに終始しました(図表1参照)。
振り返ると、米ドル/円のボラティリティは9月中旬頃から大きく低下しました。9月中旬以降の米ドル/円週間値幅は、10月第1週(10/2~6)を除いて2円を大きく下回る状況が続いています。
なお、10月第1週の値幅は2.6円でしたが、これは150円を突破した直後に日本の通貨当局による米ドル売り介入の思惑などから147円台へ急落したためでした。このような介入を巡る乱高下を除くと、米ドル/円のボラティリティはこの1ヵ月ほど大きく低下したわけです。
ボラティリティが急低下した9月中旬以降は、米ドル/円が148円を越えて、いよいよ150円の大台が射程内に入ってきたことから、日本の通貨当局による円安阻止介入への警戒感が一段と高まった局面でもありました。その意味では、ボラティリティの低下、米ドル/円の小動き化の一因は、介入への警戒感から米ドル高・円安を仕掛けにくくなったことがありそうです。
そしてもう一つ気になるのは、米金利上昇に対する米ドル買いの反応に鈍さが目立ってきた影響です。
これは、米ドル/円だけなら上述の介入警戒の影響のようですが、実はユーロ/米ドルなどにも見られはじめています。米金利上昇が続くものの、その割に米ドル買いが広がらないことから米ドルも上げ渋り、結果的に小動きになった可能性もありそうなのです。この米金利上昇と米ドル高のかい離について、以下でさらに考察してみましょう。
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