(※写真はイメージです/PIXTA)

港区のとある超高級タワマン。ひとくちにタワマンといっても価格帯にはさまざまなランクがあるが、なかでも港区のタワマンは「超高級クラス」に位置づけられる。しかしいま、そんな港区のタワマンで大きな異変が起きており……。その実態について、住民に話を聞いた。

もはや無法地帯…地に落ちた港区タワマンの民度

港区の高級タワマンが、なぜそんな無法地帯になってしまったのか――。鍵を握るのが、住民の質だという。

 

「ユーチューバーや仮想通貨で儲かった人や芸能人……いわゆるサラリーマンとは違う世界の住民が多く住んでいる」(男性)。

 

ラウンジのソファで取材中、男性が目配せした先にあるバーカウンターでは若い3人組の男性が甲高い声で話していた。ドバイは所得税がかからないといった話に始まり、節税対策という名のもとに法的にかなり際どい話を堂々と大声でしている。

 

タワマンといっても1,000戸を超えるような大型物件の場合、ファミリータイプだけでなく、賃貸用のワンルームなどの部屋も数多く用意されている。経済的に成功した若者がそうした部屋に住むパターンも多いのだろうか。

 

共有ラウンジで夜な夜な繰り広げられる「タワマンパーティー」

東京タワーを臨むこのラウンジも、金曜や土曜の夜はそうした若者たちにより毎週のように貸切状態になっており、夜な夜なタワマンパーティーが繰り広げられているという。

 

艶やかに着飾った港区女子がウーバーイーツの配達員とともにインターホンの順番待ちをする姿は週末の夜の風物詩となっており、「パーティールームでセクシー女優が撮影した写真がSNSに投稿されたこともある」と男性は顔をしかめる。羽目を外して酔っ払った住民が深夜に火災報知器を誤作動させ、屋外への避難を余儀なくされたことすらあるという。

 

東京タワーを臨む眺望は、外国人からも大人気だ。エレベーターホールでは、不動産業者とみられる若い女性が中年の男女に流暢な中国語で案内していた。すでにファミリータイプの部屋は2億円超えのものも多く、日本人サラリーマンにとっては手の届かない領域に達している。それでも外国人目線では円安で割安感があり、彼らが買い漁っているという。当然、日本語の掲示板が読まれることはなく、ベランダでの焼肉なども問題になっている。

 

前述の男性は世帯年収は2,000万円を超え、普通に考えれば何不自由ない暮らしができそうだが、「このタワマンでは最底辺だ」と呟く。低層階の自室から東京タワーは見えず、エレベーターホールで外国人や腕にタトゥーを入れた若者が高層階へと向かう姿を見るたびにストレスがたまるという。

 

子供の教育へも深刻な影響が…

子供の教育格差も深刻だ。男性は有名大学から一流企業に就職するという自分の成功ルートを子供に歩ませるべく、タワマンの近所にあるSAPIXに子供を通わせている。「私立小学校やインターナショナルスクールに通っている子供が多く、なんで勉強を頑張らなければいけないのかと子供に聞かれても上手く答えられない」と肩を落とす。

 

「豊洲のタワマンはサラリーマンしか住んでいなかったので住民のマナーもよく、格差を感じることもなく気楽だった」と男性は懐かしむ。世帯年収2,000万円であればギリギリ届く港区の高級タワマンという、身の程知らずな夢を見てしまったがゆえにハマってしまった落とし穴だったのだろう。

 

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