通貨の総合的な価値を示す「実効為替レート」
ここまで2通貨間の為替レートを説明しました。さまざまな通貨が売買される時、「ドル/円」レートが円高でも、「ユーロ/円」レートが円安という場面があります。日本円は円高、それとも円安のどちらでしょうか。それを計るモノサシが実効為替レートです。
ある通貨の価値が他の国々の多通貨に対して、どれだけ上昇しているのか、低下しているのかを示す指標として「名目実効為替レート」と「実質実効為替レート」があります。
名目実効為替レートは、特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは捉えられない、総合的な為替レートの変動をみるための指標です。
具体的には、算出対象とするすべての通貨と円との2通貨間・為替レートを、貿易額などで計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出します。
実質実効為替レートは、さらに、対象となる国・地域の物価動向も加味して算出します。物価変動まで考慮しているため、通貨の真の力が反映されると見られています。
円の実効為替レートは日銀が公表し、各国の中央銀行も自国通貨の実効為替レートを公表しています。また、国際決済銀行(BIS)は、60カ国・地域以上の通貨の実効為替レートを公表しています。
小松 英二
CFP® FP事務所・ゴールデンエイジ総研
代表・経済アナリスト
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