(※写真はイメージです/PIXTA)

よく「医療保険はいらない」といわれることがあります。その理由は、公的保障でかなり賄えるからというものです。しかし、医療保険は必要ない、入っていないという人でも、詳しく話を聞くと、似たような保障内容の「共済」に加入しているというケースがあります。医療保険とは似て非なるしくみ「共済」とはどのようなものか、どんなメリットがあるのか、解説します。

「共済」のしくみ

「共済」は、「組合員」が掛金を出しあい、組合員が病気・ケガをしたり、死亡したりした場合に、お金が支払われるという制度です。「保険」とよく似ていますが、非営利事業であるところが異なります。

 

全47都道府県にある「都道府県民共済」、全労災が運営する「こくみん共済」、生協組合連合会が運営する「コープ共済」、農協が運営する「JA共済」、漁協が運営する「JF共済」等があります。

共済のメリット

共済のメリットは以下の3つです。

 

【共済のメリット】

・保障が充実している割に掛金が安い

・「生命保険料控除」を受けられる

・毎年「割戻金」を受け取れる

 

◆保障が充実している割に掛金が安い

まず、保障が充実している割に掛金が安くなっています。たとえば、「東京都民共済」の「生命共済」の「入院保障2型」は、以下の保障を掛金2,000円で備えることができます。

 

・保障期間:65歳まで

・入院:1日1万円(60歳~65歳は1日7,500円)

・ケガでの通院:1日1,500円

・手術:2.5万円・5万円・10万円(60歳~65歳は1万円・2万円・4万円)

・先進医療:1万円~150万円(1万円~75万円)

・死亡・重度障害:10万円(60歳~65歳は5万円)

 

この保障内容は保険会社各社が販売している医療保険と似たものですが、医療保険でこのレベルの保障を備えようとしたら、月2,000円では無理なことが多いです。しかも、65歳までなら年齢・性別を問わず一律月2,000円というのは魅力です。60歳~65歳の間は保障が減額されますが、それでも月2,000円というのは医療保険と比べれば割安です。

 

なお、65歳以降は同じ掛金で「熟年共済」へと移行します。

 

◆「生命保険料控除」を受けられる

共済の掛金は、所得税・住民税の「生命保険料控除」の対象となり、一部が非課税となります。保険ではありませんが、実質的に同じような役割を果たすので、生命保険料控除の対象となっているのです。

 

したがって、掛金は2,000円ですが、それよりも低い額で前述の充実した保障を受けられるということになります。

 

◆毎年「割戻金」を受け取れる

共済の加入者は、毎年、「割戻金」を受け取ることができます。これは、加入者が支払った掛金のうち、使われずに余った分を還元するものです。

 

たとえば、都道府県民共済の場合、例年、年間掛金総額のうち30%~40%程度の割戻金を受け取れます。上述したプランならば年間掛金総額24,000円のうち7,200円~8,400円ほどになります。

 

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