ネズミを捕るのがいい猫…なりふり構わず推し進めた「社会のデジタル化」が限界突破。「中国経済」の今後【伊藤忠総研・主任研究員が解説】

ネズミを捕るのがいい猫…なりふり構わず推し進めた「社会のデジタル化」が限界突破。「中国経済」の今後【伊藤忠総研・主任研究員が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

世界規模で急速に進展する経済のデジタル化、そのトップランナーが中国であることは明白です。本記事では、株式会社伊藤忠総研・主任研究員の趙瑋琳氏による著書『チャイナテック 中国デジタル革命の衝撃』(東洋経済新報社)より、デジタルエコノミーを急進展させた中国について解説します。

デジタルエコノミーの急進展

ご存知の通り、世界規模で急速に進展する経済のデジタル化は、私たちの行動や生活様式、社会経済に大きな変化を与えています。

 

経済のデジタル化は、例えば、アマゾン(Amazon)の登場が街の書店に大きな打撃となったように、既存ビジネスの破壊を招く一方で、「ウーバー(Uber)」や「エアビーアンドビー(Airbnb)」に代表されるように、既存のモノやサービスに新たな価値を与え、経済拡大のエンジンとなる潜在力を秘めているため、世界各国はデジタルエコノミーの進展に鎬を削っています。

 

トップランナーの中国「財布を無くすより、スマホを失くす方が深刻」

そして、デジタルエコノミー進展のトップランナーは間違いなく中国であり、その象徴はチャイナテックです。スマートフォンのアプリを利用してタクシーかライドシェアの車に乗って通勤し、昼休みにはスマホを使ってデリバリーサービスでランチをすませ、仕事帰りにはスマホでオンライン・ショッピングを楽しむ─―。

 

そのような光景が中国の都市部では日常の姿となっています。百貨店やスーパーマーケットなどの大型店舗だけでなく、小さな小売店や露店に至るまで、ありとあらゆる商店でスマートフォン決済が利用できます。今や、中国の都市生活にスマートフォンは必需品で、それなしでは生活が成り立ちません。「財布を無くすより、スマホを失くす方が深刻」といわれるほどです。

 

このように、スマートフォン決済による急速なキャッシュレス化は、中国のデジタルエコノミーの進展を加速させています。

 

デジタルエコノミーは新しい概念ですから、今の段階では、統一された定義や計測法はありませんが、一般には、進展著しい情報通信技術(ICT)などのデジタルテクノロジーやデータの活用を中心とする経済活動だと理解されています。中国の政府活動報告には、2017年に初めて「デジタルエコノミー」という用語が登場して以来、毎回、この用語が使われています。

 

政府系シンクタンクの中国情報通信研究院の試算によれば、中国のデジタルエコノミー規模は、2002年の約19兆円から2018年に500兆円超にまで増加し、その後も拡大し続けています。さらに、GDPに占めるデジタルエコノミーの割合は、2018年の3割弱から2030年には8割に達すると予測されています。

 

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チャイナテック 

チャイナテック 

趙 瑋琳

東洋経済新報社

世界規模で急速に進展する経済のデジタル化はすでに私たちの行動や生活、社会経済に大きな変化を与えています。デジタル技術の進展により、その変化は今後、より一層大きくなることは間違いありません。 本書はその変化の源と…

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