(写真はイメージです/PIXTA)

欧州委員会統計局(Eurostat)は、10月2日にユーロ圏(20ヵ国)の失業率を公表。統計データ公表以来の最低値となりましたが、ユーロ圏の雇用環境にはどのような変化が起きているのでしょうか。本稿ではニッセイ基礎研究所の高山武士氏が、各国の失業率を分析し、ユーロ圏における雇用環境の現状について解説します。

1.結果の概要:失業率は6.4%

10月2日、欧州委員会統計局(Eurostat)はユーロ圏の失業率を公表し、結果は以下の通りとなった。

 

【ユーロ圏失業率(20か国、2023年8月、季節調整値)】

  • 失業率は6.4%、市場予想1(6.4%)と一致し、前月(6.5%)から低下した(図表1)
  • 失業者は1085.6万人となり、前月(1096.3万人)から10.7万人減少した

 

 


1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。

2.結果の詳細:堅調な雇用環境を維持

ユーロ圏(20か国)の8月の失業率は6.4%で、7月(6.5%)からやや低下し、統計データ公表以来の最低値となった(なお6月も6.4%で最低値だった)。過去データは7月の数値がやや悪化方向に修正された(7月改定前6.4%→改定後6.5%)。

 

失業者数は8月の前月差で10.7万人減となり、7月の8.9万人増の後、再び減少に転じた(図表3・4)。主要4か国では、イタリア(▲6.2万人)とスペイン(▲2.6万人)では失業者が減少、フランス(±0.0万人)は横ばい、ドイツ(+0.4万人)ではやや増加した。

 

8月の若年失業率は13.8%で、こちらも7月(13.9%)からやや低下し(図表2)、コロナ禍後の最低値となった(若年失業率も6月に13.8%と最低値となっていた)。過去データは7月の数値がやや悪化方向に修正された(7月改定前13.8%→改定後13.9%)。

 

若年失業者数は8月で219.4万人(前月差▲2.4万人)となり、7月(前月差+2.2万人)から減少に転じた。若年失業者数はコロナ禍後の最低値(216.2万人、22年2月)を上回る状況ではあるが、コロナショック直前の水準は下回っている(図表4)。

 

 

国別の8月のデータを見ると、失業率はデータが公表されている20か国中、悪化した国が4か国、改善が7か国、横ばいが9か国だった(図表5)。また、若年失業率は公表されている16か国中、悪化した国が8か国、改善が6か国、横ばいが1か国だった(図表6)。

 

 

最後に詳細な月次データを公表しているイタリアとポルトガルについて確認すると、イタリアは失業者が減少、非労働力人口が微増、就業者も増加した(図表7)。ポルトガルも失業者が減少し、非労働人口と就業者が増加した(図表8)。

 

いずれの国でも労働参加率は高めの水準にとどまっており、総じて雇用環境は堅調さを維持していると評価できる。

 

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年10月3日に公開したレポートを転載したものです。

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