中国、福島原発の処理水放出で「激しい日本バッシング」…そのとき、現地に住む日本人は【現地駐在員が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)
7月29日~8月2日にかけて続いた「北京豪雨」や、9月7日~8日に起こった香港・深センでの冠水など、今年の夏の中国は「水」に翻弄されたといえます。なかでも、8月24日に福島第一原発の処理水が海洋放出されたあと、中国による激しい日本バッシングは国内メディアでも大きく取り上げられました。東洋証券上海駐在員事務所の奥山要一郎所長が、当時の在留邦人の行動やその後の中国の反応についてみていきます。
8月の中国株は897億元売り越し…「投資マネー」の流出に注視
さて、投資マネーも水と表現される。この夏は、中国・香港間のストックコネクトで「南水」、すなわち海外投資資金の動きが注目された。
7月は470億元を買い越したが、8月は一転、過去最大規模の897億元の売り越し。中国の景気減速、米中対立の不透明感、不動産デフォルト懸念、人民元安の進行などが残念ながら嫌気されている。
中国外交部の華春瑩・次官補兼報道官は、8月30日にX(旧ツイッター)上で「覆水難収(覆水盆に返らず)」と投稿。処理水放出に対する警告を発したとみられる。
しかし、大変おこがましいが、前述の投資マネーという水の流出も同じくらい気にしたほうがいいのではなかろうか。
中国はデジタル経済や新エネなどの新興産業、そして大きな消費市場という潜在力を兼ね備えた魅力ある投資先。それを地道にアピールしながら、マネーの再流入を期待したい。
奥山 要一郎
東洋証券株式会社
上海駐在員事務所 所長
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東洋証券株式会社
上海駐在員事務所 所長
上智大学外国語学部イスパニア語学科卒。通信社、コンサルティングファームを経て、2007年東洋証券入社。本社シニアストラテジストを務め、2015年より現職。中国現地で株式動向のウォッチや上場企業取材などを行い、中国株情報の発信・レポート執筆を手がける。
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