※画像はイメージです/PIXTA

身寄りのないいとこが亡くなった際、いくら血縁者であっても遺産を勝手にもらうことはできず、家庭裁判所を通じた手続きが必要になります。ただし、生前の対策があれば家庭裁判所の手続きをしなくてもよくなります。みていきましょう。

スムーズな相続には遺言書が必要

身寄りのないいとこの遺産相続をスムーズに進めるためには、生前にいとこに遺言書を書いてもらうことをおすすめします。

 

遺言書ですべての財産を遺贈することを定めておけば、相続財産清算人による手続きは不要になります。相続財産清算人による手続きではいとこが特別縁故者として認められず遺産がもらえない場合もありますが、遺言書で遺贈を定めておくとその心配もありません。

 

包括遺贈で遺産の記載もれを防ぐ

遺産相続をスムーズに進めるためには、遺言書で遺産の記載漏れがないようにしなければなりません。遺言書に記載されていない遺産があれば、その遺産について相続財産清算人による手続きが必要になります。

 

遺言書で遺産を与える方法には、どの遺産を誰に与えるかを指定する特定遺贈のほか、与える遺産の割合を定める包括遺贈があります。包括遺贈であれば遺産の記載もれの心配はありません。複数の人に遺産を与える場合は、割合があわせて100%になるように指定します。

 

特定遺贈を定めた遺言の例:「下記の土地をO田O男(住所XXX)に遺贈する」
包括遺贈を定めた遺言の例:「遺産の2分の1をO山O子(住所XXX)に遺贈する」

 

遺言執行者を決めておく

身寄りがいない場合は、遺言書を書いてもそれを誰が実行するかということが問題になります。遺言書を書くときは、遺言執行者を誰にするかを記載しておきましょう。弁護士、司法書士、行政書士など専門家に依頼するほか、遺贈するいとこでも構いません。遺贈で遺産をもらう立場であっても遺言執行者になることはできます。

 

公証役場で作成する公正証書遺言が確実

遺言書の形式には、主に自筆証書遺言と公正証書遺言があります。

 

自筆証書遺言はいつでも自分で書くことができますが、形式の不備で無効になったり偽造されたりする恐れがあります。公正証書遺言は公証役場で公証人に作成してもらうため記載内容の不備で無効になることはありませんが、公証人手数料が必要になります。

 

自筆証書遺言と公正証書遺言の長所と短所は下の図で示すとおりです。手間と費用はかかりますが公正証書遺言の方が確実です。

 

 

ただし、民法の改正で自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度が新設され、自筆証書遺言も確実性が向上しています。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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