部門ごとに顧客管理の連携ができていない…
部門や担当がわかれているなかで、それぞれの施策を連携する方法。ここばかりは、一朝一夕で実現することはかなわず、地道な理解浸透を促す活動が必要です。
「機能」と「できること」の正しい認識があれば、アイデアが出そうなものですが、「目的」「機能」「評価方法」「これまでの施策」などの経緯を知らなければ、発想は途端に乏しいものになってしまいます。
まずは部署間において、お互いを知り、意見交換する場を定期的につくること。そしてメンバーの参加意義を醸成すること。“部門を横断したプロジェクトメンバー”として、日々活用と評価の方法を考え、共有を怠らないことが第一歩と考えています。
組織のなかでは部門を横断した会議体の発足に、物理的にも心理的にも障壁があると思いますが、少なくとも3ヵ月に1度の実行施策と今後の施策の共有会の実施をおすすめします。
施策連携におけるキーパーソンの役割とは?
施策連携のキーパーソンとなるのは、各施策のプロジェクトリーダーと決裁権を持つマネージャーなどの立場の方です。今回のテーマとしては下記のようなことが求められるかと思います。
1.部署部門を横断してコミュニケーションがとれる、とるための場がつくれる。
2.着手する内容と順序を決められる。説明できる。スピーディに着手ができる
3.実現した内容をわかりやすい・見やすい状態で共有できる
とはいえ、すべてを理想どおりにできないのは世の常です。メンバーの方々と作業分担をしたり、外部委託に頼るという手もあります。
また、「CRMをこれから導入する」となると、一般的には将来のシステムの設計を、費用と時間をかけてコンサルタントと全体最適で進めるケースが多いですが、投資規模も大きくなり、そこまで舵を切れない場合もあるかと思います。そのような場合は、Webサイトリニューアルや営業DXといった目下の課題解決に取り組みながらCRMの要素をとりいれていくパターンもあります。
例として、以下のようなプロジェクト進行は無理のない進め方です。
1.ブランド価値訴求のコンテンツ制作などをとりいれながら、Webサイトをリニューアル。
2.並行して相性のいいパッケージのMA/CRMの検討・導入を進める。
3.リニューアル後に見込み顧客へのアプローチを試行しながら、営業との連携を考えていく。
4.機能がそぐわない場合は場合に応じてツールを入れ替える。
部分最適からのスモールスタートではありますが、少しずつ成果を出しながら、社内でのチームを拡大されているクライアント様も多くいらっしゃいます。もちろん、1〜3年レベルでの将来像をイメージしていく工程は必要になりますが、アジャイル思考でのプロジェクト推進も可能です。
まとめ
CRMとブランディングの施策を連携していくうえでのポイントを下記のようにまとめさせていただきます。
ポイント1
ブランディングとCRMは、連携することでブランド理解度を指標化するなどの相乗効果を発揮します。
ポイント2
アイデアが出る土壌づくりが重要です。部門やチームを横断して目的・機能を共有する場をつくりましょう。
ポイント3
キーパーソンとなる方と、メンバーの役割を明確に定義します。
ポイント4
大きな全体像がなくても、スモールスタートでも始める・進めることが重要です。
CRMというITツールを用いた、顧客体験向上の手法論はたくさんありますが、“自社のブランドを顧客がどう理解してくれているかを把握する”には各企業で研究が必要なことに変わりありません。なにより大事なのは「いま、目の前のできることから始めていくこと」と、「仲間を増やすこと」です。
中野 シンヤ
株式会社 YRK and
クリエイティブテクノロジスト
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