年金を繰り下げて受給すると、1ヵ月あたり0.7%増額された年金を受け取ることができます。しかし、場合によっては「受給額の一部減額」または「全額受給できなくなる」ことがあると、牧野FP事務所の牧野寿和CFPはいいます。「もらえるはずだった年金がもらえなくなる」という悲劇を起こさないためにも、年金制度について事例を交えてみていきましょう。
年収が一定額を超えると、年金が減額されてしまう
Sさんの毎月の役員報酬を、月額37万円まで引き下げれば、在職老齢年金の調整はされません。
このように筆者が一般的な納税額を含めさまざまなケースで試算した結果を、Sさんは「せっかく納めた年金なのに……みすみす手放すのももったいない」と、腕を組んで思案し始めました。
もっとも、S夫婦はすでに計画的に資産を形成をしており、役員報酬や年金に在職老齢年金の調整がされても家計支出にはあまり影響はなく、夫婦が100歳まで人生を謳歌しても、1,000万円以上の貯蓄が残り、ゆとりある老後が過ごせそうです。
牧野 寿和
牧野FP事務所合同会社
代表社員
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牧野FP事務所合同会社
代表社員
NPO法人日本FP協会 CFP®認定者
1級ファイナンシャルプランニング技能士
1958年名古屋生まれ。2003年、牧野FP事務所を開業。
住宅や相続、老後の生活など相談者の課題を解決し、思い描いた人生の実現を目指す「家計を健康にするプランニング」を得意とする。投資信託や保険といった金融商品の販売は一切なく、真摯に相談者に寄り添う姿勢で信頼を得ている。
現在は1000件以上の個別相談を中心に、企業や銀行、自治体主催セミナーに登壇。また、高校生やその保護者に、奨学金制度やライフプランニングといった講演も行っている。
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