(※写真はイメージです/PIXTA)

年金も預貯金も十分で、夫婦ともに健康な70代。一見なんの心配もなさそうですが、「老後破産リスク」は思わぬところに潜んでいるものです。今回、牧野FP事務所の牧野寿和CFPが実際に体験した事例を交えて解説します。

余裕の老後生活を送るA夫妻

Aさん(72歳)は、東京から新幹線で約1時間の地方都市で、住宅ローンを完済した戸建に妻(70歳)と暮らしていました。

 

A夫妻は、当時では珍しく60歳の定年まで共稼ぎをして、2人で約3,000万円の退職金を受け取っていました。また年金は夫婦で月29万円あり、旅行に行く費用などを除くと毎月の支出は約24万円と、貯蓄を切り崩すことなく生活できています。

※2人以上の無職世帯の世帯主平均年齢72.1歳の家計平均支出額は249,589円。総務省「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」より。

 

そのため、貯蓄は減るどころか今では4,000万円まで増えるなど、金銭的な不安とは無縁の悠々自適な老後を過ごしていました。

 

ひとり息子から願ってもない誘い

A夫妻の子どもは39歳の息子がひとりです。IT関連会社に勤め35歳のパート勤めの妻と来年小学校に入学する子どもの3人で、都内の賃貸マンションに住んでいました。

 

そんなある日、息子から、「家を買おうと思っているけど、東京で一緒に暮らさないか」と連絡がありました。夫婦は溺愛してきた息子とその家族と一緒に暮らせると大はしゃぎ。早速、次の土曜日に上京して息子の話を詳しく聞くことにしました。

 

息子たちと住むはずの新居を見学…見学中、A夫妻が感じた「違和感」

息子たちが住む街の最寄り駅についたA夫妻。迎えに来たのは息子だけで、孫は妻がスイミングスクールに連れていっているそうです。

 

夫婦は、息子の車で購入を決めた建売住宅を見に行きました。そこでは不動産会社の担当者の出迎えがあり、丁寧に部屋を案内してくれました。

 

しかし、A夫婦は自分たちの居住スペースがないことに気がつきました。

 

その後、もやもやしたままA夫婦と息子は近くのレストランで食事をすることに。そして、食事を待っている間、息子はA夫妻は息子から「とんでもないお願い」をされたのでした。

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

〈参照〉
生命保険文化センター『「相続時精算課税制度」とはどんな制度?』(https://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/828.html)

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