年を重ねれば、介護のリスクが高まります。そしていざ、介護が必要になったとき、自宅での生活が不便に感じることも。そこで選択肢になるのが「老人ホーム」です。しかし、介護サービスが充実しているホームであれば、この先も安心……と100%いえるわけではないようです。みていきましょう。
年金15万円「老人ホーム入居」の75歳母、安心の老後を送っているはずが真夜中に「SOSの電話」…ひとり娘が耳を疑った〈ホームの惨状〉

要介護認定を機に「老人ホーム入居」を検討…納得のホームが見つかったと思っていたが

――母の老人ホームを変えた

 

東京に住む50代女性の投稿。先日、地元の老人ホームで暮らす75歳の母が、違う老人ホームに転居したといいます。そもそも、母が老人ホームに入居するきっかけになったのは、家で転倒→要介護となったことでした。

 

内閣府『令和3年版高齢社会白書』によると、要介護となったきっかけで最多は「認知症」で18.1%。続いて「脳血管疾患(脳卒中)」が15.0%、「心疾患(心臓病)」13.3%、「骨折・転倒」13.0%と続きます。

 

介護サービスを利用しながら自宅で生活するという選択肢もありましたが、高齢女性のひとり暮らしということもあり、大きな不安が残ります。母娘共にホームに入居するのが最善策と、いくつかの施設を見学。年金が月額15万円程度だったので、それを加味して予算的に無理のないホームを選んだといいます。

 

上をみればキリがないのが老人ホーム。最終的に母親が「金銭的にもまわりに迷惑をかけたくない」と、自身で入居費用を賄えるホームに決めたといいます。また入居したのは、比較的介護度の重い人が多く入居するホーム。母親は日常生活で時々人の手を借りることもある程度でしたが、これから先、さらに介護が必要になったとしても安心という点も決め手だったといいます。

 

「離れて暮らすものの、安心して母をお任せできる」と安心しきっていた女性。実際に年に数回、面会に行っていましたが、母親の笑顔から、自分たちの選択が最善だったと確信していたといいます。

 

ただ状況が変わったのが、入居して1年ほど経った時だったと女性。ある日、すでに寝ていた女性の家の電話が鳴ったといいます。「こんな夜中に電話なんて。良くないことが起きたのでは」と、慌てて電話に出たところ、老人ホームに入居している母親でした。電話口の母は明らかに様子がおかしく、「もしかして、お母さん、泣いてる?」と聞いたといいます。

 

少々、興奮気味の母が落ち着くのを待ち、電話の理由を聞くと、思いもしないことを知ることに。実は最近、スタッフが少なく、以前のようなサービスを受けられなくなっているというのです。

 

――スタッフが少ないのは、経営が厳しいからではないか

――明らかに人手不足で、スタッフもイライラしている

――介護度が重い入居者がほったらかしにされていることも多くその姿を見るのも忍びない

――ずっと安心して暮らしていけると思っていたのに、最近は不安で不安で仕方がない

 

自身が知っているホームとは180度違う様子に、驚きを隠せなかったと女性。ただ忍耐強い母が真夜中にSOSの電話をかけてくるのだから、相当、我慢していることは明らか。このまま、このホームで暮らすのはあまりに母が可哀想と、すぐに退去し、いったんは親戚の家に身をよせ、改めて老人ホーム探しをスタート。多少予算オーバーであったものの、経営面でも問題ないだろうと思われるところに入居を決めたといいます。