中国への輸出強化へ
ベトナム国鉄子会社であるRATRACO社によると、ベトナムは中国への農産物、特に新鮮な果物や魚介類の鉄道輸出を強化しているという。
先月、ソンタン−ドンダン間の農産物輸出入のための最初の列車が、ビンズオン省のソンタン鉄道駅を出発した。この列車には、新鮮な果物や魚介類が12.192メートルの冷蔵コンテナ21個に詰められ、合計約900トンの貨物が載っていた。列車はイェン・ビエン鉄道駅に向かった後、中国に向かうランソン省のドンダン鉄道駅に到着した。
以前、ケップ駅では、鉄道業界がバクザン省と連携して、中国に輸出される新鮮なライチを冷蔵コンテナで輸送する列車を運行していた。
RATRACO社の代表は、「鉄道業界は、これまで一番需要の高かった乾燥茶やタピオカ澱粉のような輸出用の乾燥農産物を輸送するために、通常のコンテナ用に多くの車両を用意している」と述べた。
しかし現在、顧客のニーズは生鮮農産物の輸出入輸送である。そのため、鉄道業界は新鮮な農産物の輸送需要の増加に関心を寄せている。
輸送のコストは
南北ルートでの乾燥品コンテナの鉄道輸送コストは1往復で3,000万~3,500万ベトナムドン(約18万1,644〜21万1,918円)程度だが、生鮮果実のコンテナでは片道3,500万ベトナムドン(約21万1,918円)にもなる。
一方、南北ルートの道路でのコンテナ輸送コストは、閑散期で6,000万ベトナムドン(約36万3,293円)、ピーク期で1億~1億2,000万ベトナムドン(約60万5,480〜72万6,576円)である。
そのため、鉄道が新鮮な農産物の輸送に関連する車両と解決策を持っていれば、ニーズを満たすことができる。今回の鉄道は、商品の品質を保証するために中国から標準的な冷蔵コンテナを借りており、中国国内だけでなく第三国にも深く輸送することができる。列車はコンテナ約20個を中国との国境ゲートまで運ぶことができる。その後、商品はトラックなどで中国までたどり着く。
同代表は、「ソンタンからドンダンへの輸出入農産物・食品の冷蔵コンテナを輸送する列車用に、別の輸送プロセスを開発した」と述べた。「列車は南部から中国へ新鮮な果物を輸送し、ラオカイからソンタン駅まで新鮮なブドウや新鮮なニンニクなどの中国産果物を運んでいる」と担当者は話した。
2030年までにさらなる目標も
ベトナムの農産物の多くは海上輸送で中国に運ばれている。しかし、新鮮な果物の場合、船便は輸送時間が長く、ベトナムから輸出される新鮮な果物の賞味期限は収穫日から販売棚に並ぶまでせいぜい25~27日程度であるため、最良の選択ではない。
鉄道輸送は時間短縮に有効なソリューションである。しかし、鉄道で輸送される新鮮な農産物や果物には基準があり、コード化された栽培地域が原産地であることや包装の仕様など、厳しい要件を満たさなければならない。
担当者によると、ソンタン−ドンダン間ルートの列車で、冷蔵コンテナで輸送される農産物は、高品質で正式な輸出品であるという。ドリアンのコンテナ1個は40億ベトナムドン(約2,425万2,777円)もの価値がある。
2022年、国際複合一貫輸送鉄道経由で輸出された貨物の総量は133万トンに達し、鉄道による貨物輸送総量の24%を占めた。この中には、ベトナムから中国への貨物、中国から第三国への貨物も含まれている。この量は2021年の114万トンを上回った。
多国籍企業がサプライチェーンを再構築する中で、ベトナムと中国間の鉄道による国際複合一貫貨物輸送や、ヨーロッパ、ロシア、モンゴル、中央アジア諸国へのトランジットの需要が高まっている。
交通運輸省は、2030年までに鉄道による国際貨物輸送を増加させる計画を提出し、400万トンから500万トンの貨物輸送を目標としている。