個人年金保険の商品の種類
最後に、個人年金保険の商品の種類について説明します。代表的なものは以下の3つです。
・円建ての個人年金保険(ふつうの個人年金保険)
・米ドル建て個人年金保険
・変額個人年金保険
円建ての個人年金保険については、ここまで説明してきたことに改めて付け加えることはありません。ここでは、「米ドル建て個人年金保険」と「変額個人年金保険」について説明します。
◆米ドル建て個人年金保険
「外貨建て個人年金保険」のなかでも、「米ドル建て」のものは、金利の高いアメリカ国債で運用されているため、利率が高くなっています。
他方で、為替相場の変動の影響を受けるので、為替相場が「円高ドル安」になると、その程度によっては、円換算の金額が目減りし、元本割れしてしまう可能性が否定できません。これがいわゆる「為替リスク」です。
ただし、毎月一定額を支払い続けることで、長期間でみればリスクが抑えられます。たとえば、保険料月1万円の「米ドル建て個人年金保険」に加入した場合、「1ドル147円」の時は1万円が約75.2ドル分になり、「1ドル110円」の時は約90.1ドル分となります。
これを長期間続ければ、結果として、その間の平均値で購入したことと同じ効果が得られます。騰落のリスクが分散され、長い目で見れば、お金が増えていく可能性が高いといえます。
◆変額個人年金保険
「変額個人年金保険」は、株式や債券等、複数の投資信託(特別勘定)のなかから、運用方法を選ぶ商品です。どれか一つを選ぶことも、複数を組み合わせることもできます。
特に人気があるのが、「アメリカ株式」や「世界株式」の特別勘定です。これらは、短期的には下げることもありますが、経済成長につれて着実に上昇していくことが期待できるということで、選ぶ人が多くなっているのです。
中には、過去の運用実績が優れていて、iDeCoやNISAで人気がある「S&P500」や「NASDAQ100」「MSCI」といった代表的な株式指数に連動した「インデックス型」の投資信託よりも高い運用実績を出しているものもあります。なお、過去の運用実績については、保険会社がHPで公開しています。
変額個人年金保険は株式相場や債券相場の変動の影響を受けるというリスクがあります。しかし、米ドル建て個人年金保険と同様、毎月、少しずつ保険料を払い込んでいくことによって、リスクを抑えることができます。すなわち、株式相場が下落した場合は同じ金額でたくさんの口数を購入できます。逆に、上昇した場合には、少ない口数しか買えないので「高値掴み」で損する可能性を低く抑えることができます。
このように、個人年金保険は、税制優遇や積立効率だけ取り上げると、iDeCoやNISAに及ばない面があります。しかし、「保険」の機能等に着目すれば、iDeCoやNISAにはないメリットを見出すことができます。iDeCoやNISAと比較して、働けなくなった場合の保障等にメリットを感じるのであれば、老後資金を積み立てる手段の一つとして検討する価値は十分にあるといえます。
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