【2択問題】ちょっと考えてみて…〈Q.若手社員のプレゼンが不十分だった…どう注意する?〉⇒どちらを選ぶ?具体的に指摘する or まずは褒める(組織開発専門家が出題)

【2択問題】ちょっと考えてみて…〈Q.若手社員のプレゼンが不十分だった…どう注意する?〉⇒どちらを選ぶ?具体的に指摘する or まずは褒める(組織開発専門家が出題)
(画像はイメージです/PIXTA)

日々のちょっとした発言や行動の中で、相手にリスペクト(敬意)を伝える。その積み重ねがあるかどうかが、組織の一体感に大きく影響してきます。まずは本記事で挙げる“5つの質問”を読んで、「相手にリスペクトを伝えやすいのはどちらなのか?」を考えてみてください。組織開発専門家・沢渡あまね氏の著書『悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、紹介します。

「リスペクト」がなければ、チームはもう回らない

みなさんは最近、職場で「リスペクトされている」と感じていますか?

 

自分はまわりのメンバーから十分に評価されている。承認されている。知識や能力などを認められている。そう感じるでしょうか? あなたの価値は、職場で正しく理解されていますか?

 

世の中には、同僚にポジティブな言葉をかけるカルチャーがない組織もあります。一緒に仕事をしている相手を、わざわざ褒めるのは照れくさい。だから面と向かって褒めたりはしない。各自が各自の仕事をやっていれば、それでよいと考えるわけです。

 

言われた仕事を黙ってやる。やって当たり前。それ以上でもそれ以下でもない。担当業務をこなしたくらいで、いちいち褒めたり喜んだりしていられない。そういうムードがただよう職場もあります。

 

しかし、その「やって当たり前」「できて当たり前」という文化が、職場に悲しいすれ違いを生んでいる場合もあります。悪気なく発した一言、何気ない態度がチームの一体感を壊してしまうときもある。ただ仕事をこなすだけではなく、お互いの仕事を認め合い、理解し合うのも必要です。

 

そこでリスペクト不足とはどういった状況なのか、そして仕事を認め合うために何をすればよいのかを、具体例を挙げながら紹介していきます。

 

リスペクト不足で職場がうまく回っていないとき、私たちは何をすればよいのか。どのようなリスペクティング行動を心がければ、状況を変えていけるのか。いろいろな事例を通じて、働き方のヒントを探していきます。

【全5問】A or Bどちら?「リスペクトとは?」を考えてみよう

みなさんにいくつか質問をします。「リスペクティング行動」を実践的に考えるための問いです。

 

次の5つの問いを読んで、「相手にリスペクトを伝えやすいのはどちらなのか?」を考えてみてください。具体的な場面、具体的な行動をイメージしながら、「そもそもリスペクトとは何か?」「自分はどうするのがよいか?」をより実践的に検討してみましょう。

 

どの場面にもいろいろなやり方があると思いますが、ここでは2つの選択肢を用意しました。どちらか自分の考えに近いほうを選んでください。

 

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【①チーム全体で取り組む新プロジェクトが発足。どのように依頼するか?】

A チーム全員の前でプロジェクトの目的などを説明する

B 中心メンバーに概要を伝えて、みんなにも言っておいてもらう

 

【②お取引先とミーティングをする際、実施場所はどのように決めている?】

A 相手が都市部に大きなオフィスを持っているので、基本的にそちらに行く

B 相手先に行くときもあるが、こちらに来てもらうときもある

 

【③複数の関係者に会議の日程を打診する。理想的な聞き方はどちら?】

A 早く決めたいから、関係者全員のチャットグループをつくる

B 全員に候補日を複数出してもらい、1週間以内に決定する

 

【④メンバーからの報告がいつも遅れ気味。どう対応すれば改善する?】

A 「なぜ遅れてしまうのか」と問いかけて、対策を出してもらう

B 簡単な内容はチャットで報告させて、報告のスピードを上げる

 

【⑤会議で若手がプレゼンを披露。物足りない出来だった場合、どう注意する?】

A どこが課題なのかに気づいてほしいので、具体的に指摘する

B 若い頃は課題が多いもの。まずはチャレンジした点を褒める

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いかがですか? どちらが相手にリスペクトを伝えやすいか。自分は日頃リスペクトを示せているか。5つの問いを通じて、仕事の仕方について、じっくり考える機会を持ってもらえたら嬉しいです。

【回答&解説】組織開発専門家・沢渡あまね氏が選んだのは…

5つの問いに対する、私の回答を紹介します。私は以下のような行動をしたほうが、リスペクトを伝えやすいと考えています。ただし、状況によっては別の行動をとったほうがよい場合もあるでしょう。相手との関係性や案件の緊急度などによって、仕事の正解は変わります。これはあくまでも1つの回答例として考えてください。

 

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<回答例>

①⇒A チーム全員の前でプロジェクトの目的などを説明する

②⇒B 相手先に行くときもあるが、こちらに来てもらうときもある

③⇒B 早く決めたいから、関係者全員のチャットグループをつくる

④⇒B 簡単な内容はチャットで報告させて、報告のスピードを上げる

⑤⇒B 若い頃は課題が多いもの。まずはチャレンジした点を褒める

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回答の意図を簡単に説明します。

 

①は、効率を重視するならばB「中心メンバーに概要を伝える」でもよいのですが、チーム全員にプロジェクトへの参画意識を持ってもらうためには、A「全員の前で説明する」ほうが効果的です。一人ひとりへの信頼を伝えやすくなり、チームの結束力を高められる可能性があります。この例は次回以降の記事でくわしく説明します。

 

②のミーティングの実施場所については、発注側のオフィスに受注側が訪問するパターンが多いのではないかと思います。特に発注側が都市部の会社の場合、そうなりがちです。それでもよいのですが、私は実施場所を固定せず、柔軟に考えたほうが、相手との間によりよい関係を築けると考えています。

 

③④は、どちらもチャットツールの活用をおすすめします。会議の参加者も、チームのメンバーも、ほかにいろいろな仕事がある中で会議に出席したり、報告を上げたりしています。A・Bどちらのやり方にも理がありますが、関係者に必要以上の負担をかけずに、かつスピーディーに話を進めるためには、チャットのようにオープンなコミュニケーションを活用したほうが効果的です。使い方のポイントは次回以降の記事でくわしく説明します。

 

 

⑤の若手への助言も、A・Bどちらにもメリットがあると思います。相手の成長段階によって正解は異なるかもしれません。ただ、さまざまな会社の話を聞いていると、課題の指摘はよくおこなわれる一方で、チャレンジを評価する動きは少ないように見えます。そこで私はBを選択しました。

 

 

沢渡 あまね

作家/ワークスタイル&組織開発専門家、『組織変革Lab』主宰

 

400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。著書『新時代を生き抜く越境思考』『うちの職場がムリすぎる。』『職場の問題地図』ほか。#ダム際ワーキング推進者。

 

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※本連載は、沢渡あまね氏の著書『悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている 心地よく仕事するための真・常識「リスペクティング行動」

悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている 心地よく仕事するための真・常識「リスペクティング行動」

沢渡 あまね

日本能率協会マネジメントセンター

【「なんでうちの職場は機能していないの?」を解消するには、リスペクトの醸成が必要だった!】 同調圧力/減点主義/厳しく指摘する/上下関係/つぶし合う/皆で仲良く苦しむ(ゆえに深夜残業に付き合わされるといったこ…

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