「万が一の事態」を想定した財産管理が大切
家族に家計管理を任せるもう1つのメリットは、相続の手続きがスムーズに運ぶこと。
家計の管理を夫が一手に担っていたとして、その夫が突然亡くなってしまったらどうなるでしょうか? おそらく財産を確認するだけでも、相当な日数がかかるはずです。そして、相続の手続きは、財産確認ができないと進められないものが非常に多いです。亡くなった被相続人が残したすべての財産や債務などを把握しないと「遺産分割協議」を完結できません。
さらに、相続放棄の手続きや、相続税申告など、被相続人の財産調査が終わらないと進められない行政手続きが数多くあります。このような手続きを期限内にスムーズに終えるには、財産などの情報を家族に残しておかなくてはいけません。
正式には遺言を残すのがいちばんですが、そうでなくとも「財産目録」や「エンディングノート」を残すなどの準備は生前にやっておきたいものです。
元国税専門官が実践する「お金の管理」の方法
私は普段から「マネーフォワードME」という家計管理アプリを使って、預金口座や証券口座などの情報を一括管理しています。このアプリには妻もログインできる状態にしているので、どの口座にどれくらいの残高があるかを、いつでもスマホやPCで確認できます。
アプリを使うと便利ですが、シンプルに紙のノートやExcelシートなどで、自分たちの財産をリスト化しておくだけでも役立つでしょう。
すべての情報を整理しようとすると面倒に感じますが、主要な銀行や保険会社などの名前をリストアップするだけなら、1時間もかからず終わるはずです。
その情報があるだけでも、家族になにか起きたとき、さまざまな手続きがはるかにスムーズに進みます。これを機会にとり組んでみることを強くおすすめします。
小林 義崇
マネーライター
Y-MARK合同会社代表/一般社団法人かぶきライフサポート理事
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