「自社の強み」を徹底的に磨いて「言語化」する
ただし、競合のすべてをそのままモデリングすると、やはり同じサービスになってしまいます。顧客からすれば、どちらを選んでも変わらないということになります。それではあなたの魅力が活かされないので、ここではあなたらしさを出しながらピカピカに磨いて魅力的にし、選ばれるサービスにしていきます。「守破離」でいえば「破」「離」の段階です。
ここでは、自社(CorporationもしくはCompanyのC)と、顧客(CustomerもしくはClientのC)と、競合(CompetitorのC)をとって、「3C分析」(サンシー、もしくはスリーシー分析)と言われるマーケティングのフレームワークを活用します([図表2]参照)。
[図表2]の「2」の部分を見てください。ここは「顧客が求めていること」で、「自社が提供できること」、かつ「競合が提供できないこと」です。この「2」のゾーンを見つけることができるのが、「3C分析」です。
3C分析で、うまく「2」を出すコツが2つあります。
1つ目は「顧客が求めていること」「自社が提供できること」「競合が提供できないこと」を書き出す際に、先入観を持たずに、とにかくたくさんのキーワードを出すということです。最初から「2」のゾーンを探すことを目的に行なうと、思考が狭まり、チャンスを見落とすことがあるからです。
2つ目は、まずは「自社が提供できること」を見つめ直すところから入っていくということです。「顧客が求めていること」からとりかかると考えがちですが、筆者は「自社が提供できること」から進めていくことをお勧めしています。顧客、競合を見てチャンスがあったとしても、やはり自分が心底やりたいと思うことでないと、長続きしません。
自分が心底やりたいと思うことであれば、そこを強化することで、必ず「2」の部分を見つけ出せるはずだし、作り出せるはずです。
ワークシートに書き込みながら、「2」のゾーンをできる限り見つけ出してみてください。あなた独自の、ワクワクするような強みが見つかってくるでしょう。この強みを大事にしてください。あなたの貴重な独自の強みですから、自信を持ってこの強みを活かしていきましょう。
そして、出てきた強みを組み合わせながら、20〜30文字くらいで言語化してください。
たとえば筆者は、「ブランディング」「楽しいことが大好き」「ウェブが強い」などの強みを組み合わせて、「楽しい場づくりで、企業・起業家のブランド価値を引き出し、ウェブで浸透させる専門家」と言語化しています。
これは、世に出すキャッチコピーではないので、奇をてらったようなキャッチーな言葉にする必要はありません。ここでは自分自身がわかりやすい、しっくりくる言葉でまとめれば大丈夫です。「自分自身のブランドを言い表わすとどんなブランドになるのか」を簡潔にまとめてください。