「顧客が望むもの」を徹底的に追求する
顧客を具体的にイメージしたら、次に、顧客があなたの商品・サービスを買うことで得られる「プラスの変化」を導き出していきます。
前項の質問のうち【3. 悩んでいること、不安、不満、課題】で書き出したことを、改めてご覧ください。そして、それらが解決された状態を思い浮かべてください。その未来の「プラスの変化」こそ、顧客が心理的に求めていることなのです。
つまり、顧客はあなたの商品・サービスではなく、それを通じて得られる「プラスの変化」を求めているのです。この「プラスの変化」を「ベネフィット」といいます。
ベネフィットを導き出すコツ
それでは、このベネフィットはどうしたら導き出せるのでしょうか? これは実は簡単です。「どんないいことがある?」という質問を繰り返していけばいいのです。そして、そのベネフィットを顧客があなたのサービスを買う理由として伝えればいいのです。
筆者の実体験を例に出します。
ある時、家電屋で食洗機のキャッチコピーを見て、猛烈に食洗機が欲しくなりました。それまでは、まったく食洗機に興味がなかったのに。そのキャッチコピーにはこう書いてあったのです。
「食洗機を買うとラブラブになります」
筆者が食器洗いをしないわけでもなし、食器洗いが嫌いなわけでもありません。ちなみに、妻と仲が悪いわけでもありません。妻とはずっと仲よく暮らし、今よりもっとラブラブな人生を送りたいと思っています。そんな筆者に飛び込んできたメッセージが、「ラブラブになる」だったのです。
つまり、こういうことですね。
「食洗機を買う」(どんないいことがある?)
⇒「食器洗いの時間が軽減される」(どんないいことがある?)
⇒「夫婦で過ごす時間が増える」(どんないいことがある?)
⇒「夫婦の仲がよくなる」(どんないいことがある?)
⇒「ラブラブになる」
単純な筆者は「なるほど! 食洗機を買うと今よりさらにラブラブになるんだ!」となり、これが筆者が求めていることなので、食洗機を買う気満々になりました。
ここから続きがありまして、結果的に食洗機は買いませんでした。
妻に食洗機を買おうと話したら、即答で「いらない」という回答でした。妻は、今のままで食器洗いに困っていないし、筆者と比べると、夫婦仲がよりラブラブになるという未来には惹かれなかったようです。
ここで話したかったのは、筆者がいかに妻を愛しているかということではありません(笑)。お伝えしたかったのは、ターゲットが変われば、求めているベネフィットが変わるということです。筆者と妻のベネフィットは違ったのです。「顧客は誰なのか?」といった、ターゲットを明確にすることが必要なのです。
草間 淳哉
ブランディングカンパニー(株)ウェブエイト代表
代表
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