(※写真はイメージです/PIXTA)

裕福な家庭に生まれ両親の資産で贅沢をして過ごしたばかりに、まともな金銭感覚が養われずに高齢者になってしまう人も少なくないと、FP1級の川淵ゆかり氏はいいます。そのような人はやはり老後に痛い目に遭いやすく……。今回は、元バイオリニストのAさんの事例とともに、実家が裕福な人に待つ老後をみていきましょう。

人生初の危機感…バブル崩壊で父親の会社が買収される

しかし、数年後、バブル崩壊がお父さんの会社を襲います。人生が大きく変わってしまったAさん。Aさんのお父さんの会社は父親が社長、兄が重役といった形で経営を続けてきましたが、バブル崩壊による影響で、倒産こそ免れましたが、会社は買収され、父親と兄は追い出されてしまいます。

 

立派な家も手放し、兄が借りた一軒家に両親とAさん、兄夫婦と兄夫婦の子供の計6人で生活することになりました。このとき、Aさんは34歳。自分が置かれた状況に産まれて初めて危機感を感じた、と言います。Aさんは、近くの施設の一室を借りて子ども相手のバイオリン教室を続けることで、兄とともに生活を支えていくことになります。

 

両親の死、バイオリン教室も経営不振に…

しかし、やっとやる気を出したAさんに厳しい人生は続きます。買収から5年も経ったころ、両親が相次いで亡くなってしまったのです。甘え続けで心の支えだった両親を亡くしたAさんは、大きなショックを受けます。すでにお兄さんは新しい会社を立ち上げていましたが、自分の家族を食べさせるので精いっぱいですから、Aさんは働き続けなければなりませんでした。

 

バイオリン教室も厳しい局面に。両親も亡くなり、Aさんも40歳を過ぎたころからバイオリン教室の生徒さんも減ってきて新たな生徒さんも入らなくなってきます。バブル崩壊後の不景気が長引いていることもあり、習い事としてはお金のかかるバイオリン教室としては厳しい局面でした。

 

両親も亡くなり、本来であれば兄の家から出ないといけないAさんですが、収入も不安定なことから優しい兄夫婦の住まいに同居を続けさせてもらっています。40代半ばを過ぎるころには、細々と続けていたバイオリン教室も閉め、ほかにスキルもないAさんは、食べていくために飲食店でアルバイトをするようになります。

 

「なんだかバイオリン教室に対する熱意がなくなってしまったんです。考えれば、私は教室を開くためにバイオリニストになったのではありません。このころは年齢のせいか首から肩にかけて痛みも出てきて、自分でも演奏する機会がかなり減ってきた時期でした」

 

 

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