家計簿の活用方法…何を記録するか?
サラリーマン家庭の定期収入は給与です。これらの収入は定期支出に向けられます。ちなみに支出は貯蓄を含みます。
では、どの範囲の支出を家計簿に記録するのでしょうか? すべての収入と支出を記録の対象にすることも考えられますが、頻繁に支出がある預金口座の記録で十分であると考えられます。
頻繁に支出がある預金口座から、支払いや貯蓄のために別の預金口座へ移管されたものは家計簿の記録の対象にしますが、移管されたあとの預金口座からの支払や貯蓄は家計簿に記録する必要はないと思われます。
なぜなら、これらの出金はそれほど頻繁ではなく、預金通帳の入出金記録で十分に確認できるからです。
以上をまとめて、記録する範囲を図にすると[図表1]の……点線で囲った範囲になります。
記録の様式
[図表2]は、支出の項目が複数に分かれている多桁式家計簿の例です。市販されている家計簿の多くは、この多桁式家計簿です。
[図表2]では縦に月日、横に支出項目を取っていますが、縦に支出項目、横に月日を表示するものもあります。支出項目が多岐にわたる場合は、縦に支出項目を表示する方が便利です。
家計簿は記録するのが目的ではなく、例えば1ヵ月間の支出の記録を振り返り、無駄な支出や削減可能な支出を発見し、それを翌月の支出計画に反映するのが目的です。
これにより、支出をより有意義な目的へ振り向けたり、貯蓄へ回すお金を増やしたりすることができます。
予算による支出管理
“すでに支出したものを記録するのでは、無駄な支出を防げない”という意見もあります。まったくその通りです。まずは、支出を収入の範囲内に収めなければなりません。そこで用いるのが、後述の[図表3]「予算による支出管理の家計簿」です。
予算の設定
予算の活用では、支出額が収入の範囲内に収まるように毎月の支出総額を決めます。例えば、収入が30万円で5万円の貯蓄を目指す場合は、支出を25万円に抑えなければなりません。これが支出の予算総額です。
次に、予算総額を主な支出項目に割り振ります。例えば、食料品へ6万円、日用雑貨へ2万円、住宅ローンの返済へ10万円、公共料金へ3万円、などです。そして各項目の支出は、割り振った予算の範囲内に抑えます。
予算の作り方ですが、電気、ガス、水道、通信費などは、過去2~3年の支出額を振り返れば、季節的な変動があるにせよ、相当の精度で毎月の支出額を予測することができます。
食料品費や日用雑貨費、交際費、医療費などのようにほぼ毎月支払うものも、過去の支出を振り返れば毎月の支出額を大体予測することができます。
衣服費、外食費、教養・娯楽費などのように、支出をするか否か、金額はいくらにするかを自由に決められるものについても予算を作り、支出をその範囲内に抑えます。