共同口座の利用方法
総務省によれば、2021年度における共働き世帯は1,247万と専業主婦世帯の2倍に上ります。共働き世帯の場合、給料・ボーナスは夫婦それぞれの預金口座へ振り込まれます。そして、個人で管理する預金口座と家族全員のための資金を管理する預金口座を分けることが少なくありません。家族全員のための資金を管理する口座は、共同口座あるいはジョイント・アカウントと呼ばれます。
定期支出の共同口座
共同口座を設ける場合、夫婦2人の預金口座に振り込まれた給料から一定額を共同口座に振り替えて、それを定期支出に回します。2人の預金口座に残っているお金は、それぞれの趣味や教養、妻や夫へのサプライズ・プレゼントなどのための小遣いになります。
独身時代から続く貸与型奨学金の返済を個人の口座から行っている人も多く見受けられます。それぞれの個人の口座から共同口座に“いくらを振り替える”かは、家族全員の支出の範囲を決めることからはじまります。これには、家族全員の支出とは何か、どのような支出を共同口座からの支出とするのか、を決める必要があります。
例えば、共同口座からは家賃の支払いや住宅ローンの返済、各種ローンの返済、リスク保険料、日常の生活費などを支払い、子供の教育資金や老後資金などを積み立てるようにするのも一案です。また、妻や夫のスーツや外出着などはどうするのか、夫婦でよく話し合っておく必要があります。これを図にすると、図表2のようになります。
臨時支出の共同口座
定期支出用の共同口座とは別に臨時支出を管理する共同口座を設ければ、臨時支出と定期支出を切り離して管理することができます。
臨時支出用の共同口座には、夫婦のボーナスから一定額を振り替え、これを臨時支出に回します。この他、親からの贈与や祝い金、家族のための借入れ、積立金の取崩し、家族が使用していた物品のフリマでの販売収入、国や自治体が支給する家族への給付金なども、臨時支出用の共同口座へ入金します。夫婦が自分の小遣いで購入した物品をフリマに出店して得た販売収入は、夫婦それぞれの預金口座へ入金し、それぞれの小遣いの足しにするのもよいでしょう。
土田 義憲
公認会計士