(画像はイメージです/PIXTA)

子供を育てるにあたって、その進学に沿った「教育資金」は不可欠です。公認会計士である土田義憲氏の著書『社会人になったら知ってほしい 人生のお金の話』(ロギカ書房)より、一部抜粋して紹介する本連載。今回は、子供が進学していく上で必要な資金の積立方法を、利用できる様々な制度とともに紹介します。           

銀行預金の利用

銀行預金も教育資金の準備のために利用できます。銀行預金の主なものは普通預金、定期預金、積立定期預金の3つです。

大学生の2人に1人は利用している「奨学金」

利用状況

奨学金は、経済的な支援を必要とする学生を金銭面からサポートする制度です。奨学金には日本学生支援機構のような独立行政法人が行うもののほか、自治体や企業、民間団体、また学校が独自に実施するものなどがあります。

 

奨学金を利用している学生は多く、大学生の2人に1人は何らかの奨学金を利用しているという調査結果もあります。

種類

奨学金には給付型貸与型があります。

 

給付型の奨学金は返還不要の奨学金です。しかし、給付型の奨学金は募集人数が少なく、家庭の収入基準や本人の学力などの支給要件が厳しく設定されています。

 

これに対し貸与型は、学費など学生生活に必要な資金を貸与するものです。学生から見れば借りるものです。これは、あくまでも借りた奨学金であるので、卒業後に返還しなければなりません。

 

貸与型は、有利息無利息の2種類があります。有利息の場合、在学中は利息が発生しませんが、卒業後の返還期間中は、奨学金の残額(未返済額)に対して利息が発生します。無利息の場合は、卒業後の返還時にも利息は発生しません。ただし、無利息のタイプは、有利息に比べて支給要件が厳しく設定されています。

返済

日本学生支援機構の奨学金は、貸与が終了した翌月から7ヵ月目より返還が始まります。卒業の3月まで借りた場合は、卒業した年の10月から始まります。返還期間は最長で20年です。

 

返還方法は、毎月決まった金額を返済する方法と、毎月決まった金額を返済し1月と7月に追加の金額を返還する方法があります。当然ですが、返還期間が長くなるほど支払う利息が多くなります。そこで、資金に余裕ができた時に残りの奨学金を繰上げ返還すれば、利息の支払いを減らすことができます。

補助金、国の貸付

自治体の補助金などの制度を活用すると、家計の教育費負担を軽減することができます。また国の教育一般貸付の制度も利用できます。

 

これはあくまでも貸付けなので、年間1.95%の固定金利で利息が付きます。返済期限は最長18年です。借入れ上限は350万円ですが、自宅外通学、海外留学、大学院進学などの一定条件に合致する場合は450万円になります。

奨学金の実態

ある調査によると、日本学生支援機構の奨学金を利用した人の借入金額の平均は324万3千円、奨学金の毎月の平均返還額は1万6千円、平均返還期間は15年となっています。

 

[図表6]日本学生支援機構の貸与型奨学金利用状況

 

 

土田 義憲

公認会計士

 

社会人になったら知ってほしい 人生のお金の話

社会人になったら知ってほしい 人生のお金の話

土田 義憲

ロギカ書房

お金を稼ぐ、お金を使う、お金を貯める、お金を増やす 長い人生、 君らしくいきるために お金との上手な付き合い方を学ぶ。 【内容】 私たちは社会で生きていくために様々な活動をします。その1つが経済活動です。経…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧