今回は、「失敗」の受けとめ方を変えて「成功」を引き寄せる方法を説明します。※本連載は、東京大学薬学部卒業で、現在は作家、心理カウンセラー、イラストレーターとして活躍する杉山奈津子氏の著書、『偏差値29からなぜ東大に合格できたのか』の内容の中から一部を抜粋し、子どもの能力を最大限に引き出す親の役割と、短期間で劇的に偏差値を上げる学習法を公開します。

エジソンの研究に「失敗」は存在しなかった!?

さて、前述したように、電球をつくり出して大成功を収めたエジソンは、その前に5千回もの失敗を繰り返しました。しかし、彼は実験がうまくいかなくても、「この組み合わせではうまくいかないことを発見するに至った」と言っていたそうです。

 

つまり、彼の中に「失敗」など存在しなかったのです。うまくいかなかったことも、エジソンは目標に向かい前進するための「成功」として、肯定的に捉えていました。

 

もちろん、エジソンの研究には将来的に大成する確約などありませんでした。それでも諦めずに実験を何度も何度も繰り返すには、必ず自分は見つけ出すことができるという絶対的な自信と、失敗しても再び立ち上がって挑戦する忍耐力が必要です。

 

数回試してうまくいかなかったからといって、精神的に大打撃を受け、「自分には才能がない」と決めつけていたら、目標達成は不可能だったでしょう。一見マイナスと思われるようなことでも、視点を変えれば大きなチャンスとなります。

成功は「するもの」ではなく「気づくもの」

ある年、大型の台風によって栽培中のリンゴの9割が落ちてしまった地域がありました。その地域のリンゴ農家にとっては死活問題です。かといって、もうダメだと落ち込んでいても何も生まれません。そこである農家は、無事だったリンゴに「落ちないリンゴ」という名前をつけて、受験生をターゲットに高い値段をつけて売りました。すると、これが大ヒットしたのです。

 

見習うべきは、この農家がいつまでも落ちてしまったリンゴにこだわって嘆くのではなく、落ちなかったリンゴに着目したという点です。

 

また、こんな例もあります。私たちが普段使っている修正液は、失敗から生み出された代物です。アメリカで、女性が働くにはタイピングの技術が必要不可欠であった時代、ベティという女性はいつもミスばかりしていました。彼女はあまりにたくさんの一タイプミスをしたせいで、再び打ち直すのが本当に大変だったのでしょう、「ミスの上に白の塗料を塗ったら最初からやり直さなくて済むのではないか」と考えました。

 

この発想のおかげで、彼女も、そして彼女からそのやり方を教わった人も急に仕事がスピードアップし、最終的にベテイは修正液のビジネスを立ち上げ、大成功を収めたのです。

 

私たちは大抵、「失敗」というものに対して、自分を落ち込ませ、自信を奪う忌むべきものというメンタルセットをもっています。しかし、受けとめ方次第では、私たちを成功へ導くためのものとなるのです。

 

成功は、「するもの」というより「気づくもの」。もし、人が「失敗」と呼ぶものの中に「成長」を見つけ出せるのならば、それはもはや失敗ではなく成功なのです。

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