今回は、子どものメンタルセットを「変動タイプ」に導く方法を見ていきます。※本連載は、東京大学薬学部卒業で、現在は作家、心理カウンセラー、イラストレーターとして活躍する杉山奈津子氏の著書、『偏差値29からなぜ東大に合格できたのか』の内容の中から一部を抜粋し、子どもの能力を最大限に引き出す親の役割と、短期間で劇的に偏差値を上げる学習法を公開します。

問題をくじけずに解くことができた「2つの要因」

私は最終的には数学が得意になりましたが、小学生のときは20%引きのリンゴでつまずくくらいのセンスなのです。次々と教科書のベージをめくり、理解していけるような秀才タイプではありません。

 

それでも、まったくわからないリンゴの問題を前にくじけずに解こうという気持ちがもてたのは、挑戦する楽しさを感じられていたのと、解ければ報われる(褒めてもらえる)、という2つの要因があったおかげだと思います。

 

数学の才能のない私が、数学が得意になった原点は、最初のつまずきであるこのリンゴの問題にある気がします。このとき、先生も親も答えを教えてくれなかったので、自分で考えるしかありませんでした。

自信となった「乗り越えた」という経験

そこで、逃げたり放り出したりせずに長い時間考えて解答を導き出せた、つまりは乗り越えたという経験が、「私だって頑張れば解ける」という自信になり、メンタルセットが変動タイプ側に傾いたのです。

 

少しでも「能力が伸びた」と実感できれば、変動タイプのメンタルセットに移行しやすくなります。さらに、必死で問題を解いた背景には親から褒めてもらいたいという欲求があったわけで、「頑張れば望んでいたものが得られる」という経験も手に入れたのです。

偏差値29からなぜ 東大に合格できたのか

偏差値29からなぜ 東大に合格できたのか

杉山 奈津子

幻冬舎

高校3年生の秋に“偏差値29”だった著者は、一浪の末、見事に東大合格を果たす。なぜどん底の成績でも、「自分は受かる」と信じられたのか。なぜ途中で断念することなく、努力を続けられたのか。本書は、自身と周囲の東大生の…

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